この恋あたためますか 9話 10話最終話 感想
中盤から凡庸なラブストーリーになり、そのまま終わってしまった「恋あた」でしたが、文句ばっかり言っても仕方がないので、最終話まで観て好きだったところを並べてみる。
①森七菜の破壊力抜群の笑顔が好き。
末恐ろしいと思うのは、笑顔の使い分け。新谷(仲野大賀)と一緒にいるときも楽しそうな笑顔を見せてはいるのだが、浅羽(中村倫也)に向けるそれとは全然違う。好きな人にだけ向ける笑顔の破壊力が凄まじい。
②石橋静河の存在自体が好き。
全体から醸し出されてるこれは一体何?オーラ?
立ってるだけなのに、後ろ姿なのに、なんでこんなに魅力的。決して正統な美人ではないのに、どうしようもなく美しい。あなたは一体何者ですか。
③好青年を演じる仲野太賀が好き。
どちらかというと今まで(地上波では)クセのある役で注目されることが多かった仲野太賀が、本作でついにノーマルな好青年役で人気に。
作中では当て馬中の当て馬で散々であったが、本作のおかげで仲野太賀の役の幅はこれから確実に広がっていくだろうと思うと新谷という役に感謝しかありません。
④9話と10話でついにデレた中村倫也が好き。
ツンツンして俺は絶対に自分の感情を表出したりしませんと全身で表明していた浅羽が樹木によってついにデレを発揮。
視聴者の心を鷲掴みにするそのツンとデレを独特の空気感とバランスで演じきった中村倫也を観て、全然おもろなかったけど最後まで観てヨカッタと思えた次第です。ありがとう中村倫也。
以上です。
ストーリーには正直
辟易
としてしまったわけですが、
4人の魅力的なキャストのおかげで最後まで観ることができたよ。
映画には元々いっぱい出ている方達だけれど、連ドラ好きな私にとっては本作で注目されたことで次はどんな役でどんなドラマに出てくれるか、楽しみで楽しみで仕方がありません。
「恋あた」ありがとう。
姉ちゃんの恋人 9話 最終話 感想
圧倒的なハッピーエンド。
これでもかっていうくらいに意識的に作られたハッピーエンドだったな。
2020年のこのどうにもならない閉塞感や、ますます不寛容になる社会に抗うように、
小さな壊れかけの地球から始まったこの物語は、
優しさと好きを少しずつ連鎖させて、
最終話、世界中の言語のハッピーニューイヤーに彩られた大きな地球へと収束していく。
「僕らが暮らすこの星は、傷ついて弱っているのかもしれない。
でも、今を生きる僕らがみな、幸せにちゃんと片思いしていればきっと大丈夫。
この星はきっと壊れない。
そうだよね、姉ちゃん?」
そんな和輝(高橋海人)のナレーションで物語は幕を閉じる。
自分と、自分の隣にいる人の幸せを考えていけば、
世界は変わる。
人と人がつながり、
人が人を信じて、寄り添い、
自分と、
自分のほんの近くにいる人が、
幸せに暮らす世界。
桃子(有村架純)が夢見るそんな光景が、
途方もない困難に見舞われた世界中に灯される唯一の希望なのかもしれないな。
なんて思ったりしましたよ。
最初からずーっと観ているときに感じる気恥ずかしさと居心地の悪さは拭えなかったが、それでもむず痒くなりそうな台詞が極力自然に聞こえるよう密かに奮闘していた林遣都のお芝居に救われたりして、最後まで楽しく観ることが出来ました。
温かな優しい世界がまた描かれていくのかな。
出来れば気恥ずかしい要素は抑えめで、を願いつつ、次回作も楽しみにしています!
WOWOW 殺意の道程 7話 最終話 感想
映画化なさるってよ!!
30分×全7話を映画の尺に再編集するってことなのかな。
濃そうだな。
1話1話何気に濃いめだったのに、ぎゅっと凝縮したらどんなことになってしまうのかしら。ちょっと楽しみ。
さて、そんな本作の最終話「殺意の道程」。
父は自殺ではなく殺されたのではないかと疑念を深める一馬(井浦新)は満(バカリズム)とともに父の工場を調べることに。
出てくるわ。
父が殺された怪しい物証が次から次へと出てくるわ。
しかもやはり殺したのは室岡(鶴見辰吾)らしい。
一馬が子供のころ父は”一番大切なのは命、他人の命も自分の命も絶対に奪ってはいけない”と言っていた。
そんな父が自殺をしたことが信じられず、父をそこまで追い詰めた室岡を絶対に許せないと一馬は思っていた。
しかし自殺じゃないなら話は別だ。
父は自分の信念を曲げたわけではなかった。自ら命を絶ったのじゃないなら一馬もまた父の信念を破って他人の命を奪う殺人という行為をしてはならない。
室岡を殺すか、警察に突き出すか、一馬の心は揺れ動いていた。
「みっちゃんはどう思う?」満に意見を聞いてみる。
「どっちでもいいよ。」
軽っっ。
思い悩む一馬に対して満軽っ。
満の軽さに戸惑いつつ一馬は方向転換を決意する。
集めた証拠を揃えて直接室岡に話してくるという一馬。
さてどうなる。
そして一馬と室岡は直接対決の日を迎える。
詰め寄る一馬に室岡はついに父を殺したことを白状するが、
なんと室岡は一馬のお茶に睡眠薬を入れていた。
眠る一馬を屋上へ運び手すりに片方の袖を結びつける。
絶体絶命の一馬。
とそこへ、ビデオカメラを持った満が現れる。
一部始終を撮影していた満。
そしてこのは(堀田真由)が警察とともに駆けつける。
かくして捕まった室岡。
一馬の父を殺害したことも認め、法の裁きのもと罰を受けるのだ。
こうして父の敵討ちは終わった。
ホテルで4人で楽しむ本物の”苺フェア”。
美味しそうな苺ケーキのプレートにfinの文字。
面白かった!
今までの殺害計画やら尾行やら占いやらが全て役に立つとか、
室岡を殺すつもりで立てた計画通りに室岡に殺されそうになるという反転の構成とか、
その鮮やかさとくだらなさがお見事でございました。
またバカリズム作品観たいな。
次はどんな題材をもってくるのか、今から楽しみです。
恋する母たち 9話 最終話 感想
幸せの形はそれぞれ違うんだぞ。
っていうことを3人の生き方を通して、しっかりと胸に刻んだ最終話。
まり(仲里依紗)は離婚成立を目指し長期戦も覚悟していたが、肝の据わった超絶格好良い丸太郎(阿部サダヲ)が北海道の実家へ向かおうとするまりを空港で阻止。
離婚出来なくても、バッシングされても、とにかく一緒にいることが大事だと。
粋だよ丸太郎!!
子供達は戸惑いつつも、子供達なりに自分で選択をする。両親の離婚なんて子供にとっては深い心の傷になることは間違いない。しかし不幸とは違う。
それぞれの親たちが前を向いて歩む姿勢を見せることで、子供たちも自分で未来を切り開いていく。そう感じられるような素敵な結末の付け方だったと思う。
優子(吉田羊)は、離婚後にかつてないほどシゲオと上手く行っている様子だ。恋愛関係を根底とした夫婦としてはうまくいかなかったが、優子とシゲオ(矢作兼)は離婚したことでとても良い関係性を築くことが出来たんだろうな。
シゲオは離婚しても相変わらず優子のことが好きな様子であるが、夫婦なのに片思いしているより他人となって片思いしているほうが精神的にずっとずっと楽だよな。シゲオはずっと苦しかったんだろうな。
そして、晴れてというか、やっと、優子は赤坂(磯村勇斗)と恋人になる。
もう結婚はしないという優子。結婚はせず、赤坂と一緒に暮らすと。
優子みたいな人にとっては結婚という制度は全く向いていないのだろうし意味もないんだろう。スッパリとしている優子はどこまでも優子らしい。
そしてそして、最終回にして、
やっと主役っぽかったよ杏(木村佳乃)!!
展開としてはとても辛く、
お互いに好きなのにどうしても合わない。
好きなのに一緒にいればいるほどに傷付け合ってしまう。
とにかく斉木(小泉孝太郎)がただただ面倒くさい男なんだと思っていたけれど、
それだけじゃなかった。
隙がないということが、強いということが、正論が、相手をこんなにも追い詰めてしまうということがある。
逃げたくて逃げたくてたまらなくなってしまうが、慎吾(渋川清彦)のような軽薄さがなくどこまでも真面目な斉木にはどんどん逃げ場がなくなっていく。
斉木は斉木で、
辛かったね。
記憶が戻った慎吾に昔の自分がどんな妻だったかを尋ねた杏は
「あまりに真面目で完璧すぎて自分をダメに思う時はありました」
という慎吾の答えで、腑に落ちる。
しかしそうして別れを決意する杏と斉木の涙が、
悲し過ぎる。
お互いに傷付け合いたくなくて、これ以上苦しませたくなくて、別れるしかないけれど、別れるのも辛く悲しい、もうどないやねん。
そんな悲しい別れから1年たって、斉木も杏も同じ結論にたどり着く。
結婚には向かない2人だけれど、
仕事のパートナーとして並んで生きていくことは出来ると。
そんな関係性もあるのかー。
目からうろこしている間に、ドラマは大団円。
三者三様の幸せ。
結婚して育児をすることが最良の幸せであって良いし、
仕事に全力投球しながら恋愛を楽しんだって良いし、
もう恋愛関係すらなくたって良い。
女性だからどうだの、お母さんだからこうだの、家庭があるからなんちゃらだの、
そんな世の中の押し付けを軽やかにスマートに飛び越えてエンタメに昇華させた、良い作品でした。
面白かった!!
最後に余談だが、散々面倒くさい面倒くさいと罵っていた斉木というキャラクターだが、なんか似たイメージの人いるなーと考えてたら、私の推しの中の推しである高橋一生だったと気付いて(あくまで個人的なイメージで本当の高橋一生のことではもちろんないよ)、人間の好みって不思議だなーと自分ながらに面白かったです。
おしまい。
姉ちゃんの恋人 8話 感想
桃子(有村架純)とともに、真人(林遣都)が過去と向き合って、そして乗り越える8話。
香里(小林涼子)にこれ以上真人を傷付けないでくれと一視聴者として切に切に願ったが、
そうじゃなかった。
そんなことじゃないのだ。
もう傷付けられることなんて何もなかったのだ。
真人を呼び止めたものの何をどう話してよいのやら分からない香里に向かって、
何度も何度も真人は言う。
「幸せになって欲しい。」
「幸せになることから逃げないで。」
香里が真人の人生を変えてしまったという事実は消えないけれど、
再会することでお互いに救われて、良かったな。
震えが止まった真人のその手を、桃子はつないで一緒に階段を駆け上がる。
幸せそうな2人の笑顔。
もう、ここで終わりで良いんじゃない??
しかしまだ8話序盤。
蛇足というか補強というか、
サイドストーリーがあっちやこっちで繰り広げられます。
本筋は好きなんだけど、このサイドストーリーがね、
作り手が今世の中に言いたいことを出来るだけ分かりやすく出来るだけ多くの人に伝えたいという感じがね、ちょっと気恥ずかしくなる台詞やエピソードなんかが直接的に怒涛のように襲ってくるこの感じがね、個人的にはあまり得意ではないのですが。
しかし貴子(和久井映見)が桃子に真人の父親の自殺について話す場面は、必要だったのかなきっと。
そうして迎えたクリスマスパーティーの日。
ちょっとぶつかっただけで襲ってくる人に遭遇する確率がめちゃ高い真人。
なんとか桃子を守り切った真人。
世の中には良い人ばっかりも悪い人ばっかりもいないけれど、
なぜかその両極端にばかり囲まれる真人。
幸せになってくれ。
桃子と絶対に幸せになってくれ。
そして日南子(小池栄子)は高田(藤木直人)の真意に触れることが出来ないまま、高田の正体に気付いてしまったようだ。
ついに最終回。
過去を乗り越えた真人は、ドライブデートを夢見る桃子を救うことが出来るのかな。
真人のエピソードの影に隠れてずっと姿を見せなかった桃子の抱える傷は、最終回でどう描かれるのかな。
どうかどうか、良いハッピーエンドになりますように。
WOWOW 殺意の道程 6話 感想
6話 「最終確認」
コンビニで偶然室岡(鶴見辰吾)と出会い、その無礼な態度と、一馬(井浦新)が誰かすら分からないことで改めて殺意を抱く一馬。
しげちゃんちで最終確認をおこなう。
室岡のマンションの物件情報を見ながら、
あーでもない、
こーでもない、
俺なら同じ家賃払うならここにするだの、
もっと安い家賃でこんな物件あるだの、
何なら一軒家がいいんじゃないだの、
話し合っておる。
互いの物件センスを競っておる。
何をやってるん?
と視聴者がつっこんだであろう頃、
一馬達もようやく何やってるんだろうと気付く。
さて、そして実際の殺害方法について確認を行う一馬、満(バカリズム)、すっかりメンバーとして馴染んだこのは(堀田真由)。
室岡の別宅マンションの屋上から突き落とす計画で確認をすすめていく。
そして警察に疑われず自殺に見せかけるための工作を考えていくうちに、ジャングルジムでのシュールな場面なども挟みつつ、一馬にある疑念が持ち上がってくる。
あれ?俺の親父って。
自殺じゃなくて殺されたんじゃない?
最終話目前で大きく物語が展開する。
最終回、どんなオチが待っているのか
楽しみです!!
35歳の少女 10話 最終話 感想
このドラマが好きな方には不快な内容になってしまうことを先にお伝えしておきますね。
来たぞ最終回。
前回の内容で、なんとなくみんな都合よく話がまとまって終わるんだろねって予想はしてたけどさ。
それにしてもさ。
いい方に捉えれば、
みんな勇気を出して一歩踏み出したことで、良い関係も良い結果も生まれるよっていうね。
多恵(鈴木保奈美)の死を通して、多恵の愛を知って、みんなが本当に大切なことに気付くっていうね。
しかし個人的に望美(柴咲コウ)の家族を通して、結人(坂口健太郎)を通して、望美の同級生の結婚式を通して、
最終的に受け取ったメッセージは、
”家族だから分かり合える”
”家族みんなで力を合わせればどんなことだって乗り越えていける”
”どんなことがあっても育ててくれた親に感謝の気持ちは忘れちゃいけない”
っていうことで。
すごく良いことのように描かれているけど、
いや、これはただの呪いだよ。
この呪いで散々苦しんでいる人達がたくさんいるよってことを、その呪いからは解き放たれていいよって、親を捨てていいよって、許さなくていいよって、伝えてくれる人が増えて、ここ何年かでやっとそんな風に思ってもいいんだって苦しかった子供時代を生きた人達が思える土台が出来てきたかもしれないと感じていた。
確かに家族は思い合っているはずなのにうまく嚙み合わないこともあるし、お互いに愛情があるのに伝えるのが下手で伝わらないこともある。
でも消えない事実もある。
これは本作のごく一部だが、望美の同級生の結婚式で司会をドタキャンさせてまで結婚式を阻止しようとする母親は、すでに子供を愛してはいない。自分のことしか考えていない。
そんな母親に感謝する必要はない。分かり合う必要はないのだ。
そして、そんな母親は望美の言った言葉なんかで変わりはしない。
「もっとケンカして下さい」レベルの出来事ではない。
同じように、25年頑張ったとて、目覚めた望美に多恵がした行動も、結人の両親が結人に長年見せていた姿も、同じことなのだ。
そういう安易な家族愛には断固としてNOと言いたい。
アナウンサーになる夢が叶った望美が街頭でインタビューしている場面で物語は終わる。こんなナレーションとともに。
もしかしたら私たちはみんな
いつか胸を張ってこう言えるのを願いながら
生きているのかもしれない
これが
私だ
そうだね。
みんなありのままの自分で自信をもって生きていけたら最高だ。
でもこのメッセージを素直には受け取れない。
そこに描かれていたのは自分を押し殺して親に迎合する子供の姿ばかりだったから。
と、長々と言ってしまったが、
きっとただ私の家族観や倫理観と作り手のそれが合わなかっただけだ。
もうそんな齟齬をさけるため、遊川作品には手を出さない。
そう固く決意した最終回でございました。
終わり。