大豆田とわ子と三人の元夫 1話 感想
刺さる。
とにかく心に刺さる。
そして休止していた連ドラ執筆を復活してくれてありがとうな坂本裕二の冴えに冴えわたる脚本よ。
正直なところ、いつまでたっても「やっぱり坂本裕二最高!!」って言いたくはない。若い世代の活躍をこそ、期待はしているんだけれども。
それでも、やっぱり、今回も見入ってしまう。
いちいちうまくいかない、
いちいち不器用な、
いちいち人とずれてしまう、
おそらく結婚不適合者な大豆田とわ子(松たか子)と、
とわ子の元夫3人の物語。
それぞれにヒストリーがありまくるとわ子と元夫3人の関係性、それに加えてその3人にそれぞれ絡んでいく3人の女性たちまで登場し、この先の展開が全く読めない。
今年大ヒットしている坂本裕二脚本の映画「花束みたいな恋をした」で描いた恋人の”出会いと別れ”とはちょっと違うのは、”結婚”っていうのはどうしたって当人同士だけの関係ではなくなってしまうっていうことで、お互いの家族や、子供がいれば子供や、もしそれらがいなくたって、なんでだか書類を提出するだけの、たかが制度であるはずの、”結婚”というものをした途端に2人の間に”家族”という概念が生まれてしまうっていうところで。
きっと本作ではそんなところにも切り込んでいくのだろうし、とわ子を通して、些細な、微妙な、言葉にはなかなか出来ないような色んな感情を、一緒に味わっていくのだろう。
余談だが、ナレーションに伊藤沙莉を起用したのは作り手が「映像研には手を出すな!」のあの最高な浅草みどりを観たからだよなーと勝手に思っているし、
もう一個余談だが、とわ子の親友の綿来かごめ(市川実日子)は「カルテット」のすずめのセルフオマージュというか、違う世界線でのすずめの未来というか、ちょっとした坂本裕二からのサービスなのかなとこれまた勝手に思っている。
「1人でも大丈夫だけど
誰かに大事にされたい。」
そんなとわ子の物語。
2話が、待ち遠しいなっ。