恋する母たち 9話 最終話 感想
幸せの形はそれぞれ違うんだぞ。
っていうことを3人の生き方を通して、しっかりと胸に刻んだ最終話。
まり(仲里依紗)は離婚成立を目指し長期戦も覚悟していたが、肝の据わった超絶格好良い丸太郎(阿部サダヲ)が北海道の実家へ向かおうとするまりを空港で阻止。
離婚出来なくても、バッシングされても、とにかく一緒にいることが大事だと。
粋だよ丸太郎!!
子供達は戸惑いつつも、子供達なりに自分で選択をする。両親の離婚なんて子供にとっては深い心の傷になることは間違いない。しかし不幸とは違う。
それぞれの親たちが前を向いて歩む姿勢を見せることで、子供たちも自分で未来を切り開いていく。そう感じられるような素敵な結末の付け方だったと思う。
優子(吉田羊)は、離婚後にかつてないほどシゲオと上手く行っている様子だ。恋愛関係を根底とした夫婦としてはうまくいかなかったが、優子とシゲオ(矢作兼)は離婚したことでとても良い関係性を築くことが出来たんだろうな。
シゲオは離婚しても相変わらず優子のことが好きな様子であるが、夫婦なのに片思いしているより他人となって片思いしているほうが精神的にずっとずっと楽だよな。シゲオはずっと苦しかったんだろうな。
そして、晴れてというか、やっと、優子は赤坂(磯村勇斗)と恋人になる。
もう結婚はしないという優子。結婚はせず、赤坂と一緒に暮らすと。
優子みたいな人にとっては結婚という制度は全く向いていないのだろうし意味もないんだろう。スッパリとしている優子はどこまでも優子らしい。
そしてそして、最終回にして、
やっと主役っぽかったよ杏(木村佳乃)!!
展開としてはとても辛く、
お互いに好きなのにどうしても合わない。
好きなのに一緒にいればいるほどに傷付け合ってしまう。
とにかく斉木(小泉孝太郎)がただただ面倒くさい男なんだと思っていたけれど、
それだけじゃなかった。
隙がないということが、強いということが、正論が、相手をこんなにも追い詰めてしまうということがある。
逃げたくて逃げたくてたまらなくなってしまうが、慎吾(渋川清彦)のような軽薄さがなくどこまでも真面目な斉木にはどんどん逃げ場がなくなっていく。
斉木は斉木で、
辛かったね。
記憶が戻った慎吾に昔の自分がどんな妻だったかを尋ねた杏は
「あまりに真面目で完璧すぎて自分をダメに思う時はありました」
という慎吾の答えで、腑に落ちる。
しかしそうして別れを決意する杏と斉木の涙が、
悲し過ぎる。
お互いに傷付け合いたくなくて、これ以上苦しませたくなくて、別れるしかないけれど、別れるのも辛く悲しい、もうどないやねん。
そんな悲しい別れから1年たって、斉木も杏も同じ結論にたどり着く。
結婚には向かない2人だけれど、
仕事のパートナーとして並んで生きていくことは出来ると。
そんな関係性もあるのかー。
目からうろこしている間に、ドラマは大団円。
三者三様の幸せ。
結婚して育児をすることが最良の幸せであって良いし、
仕事に全力投球しながら恋愛を楽しんだって良いし、
もう恋愛関係すらなくたって良い。
女性だからどうだの、お母さんだからこうだの、家庭があるからなんちゃらだの、
そんな世の中の押し付けを軽やかにスマートに飛び越えてエンタメに昇華させた、良い作品でした。
面白かった!!
最後に余談だが、散々面倒くさい面倒くさいと罵っていた斉木というキャラクターだが、なんか似たイメージの人いるなーと考えてたら、私の推しの中の推しである高橋一生だったと気付いて(あくまで個人的なイメージで本当の高橋一生のことではもちろんないよ)、人間の好みって不思議だなーと自分ながらに面白かったです。
おしまい。