すききらい

主に連ドラたまに映画の感想(好き嫌い)を語るブログ。

恋はDeepに 1話 感想

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こんなときだから、あえてのファンタジーで、あまり深く考えず気楽に楽しめるドラマはアリなのかもしれないと思う1話。

 

主人公は海洋学者の渚海音(石原さとみ)。ナギサミオ。海の音と書いてミオ。全然読めない。

海音はとにかく海を、海に生きる全てのものを愛している。その愛ゆえに少々行き過ぎた言動をしてしまうという人物像であるが、その背景や正体には大きな謎がありそうで、そんな海音を石原さとみが日テレの石原さとみらしく演じている。

そう。日テレに出演する石原さとみはいつもいつもキャラが立ち過ぎるほどに立っているのが常である。石原さとみのこだわりなのかファッションセンスもいつもありあまる。

しかし今回はおしゃれの中に妙な特徴があり、やたらとハイネックとロングなスカートやらキュロットやらを身に着けている。何やら身体に秘密を抱えているのだろうか。思いのほかグロテスクな鱗がチラ見えしたりする展開がこの先に待っているのか!(ない。)

 

その恋のお相手となるのはリゾート開発の大手「蓮田トラスト」の御曹司・蓮田倫太郎(綾野剛)。なんて格好良いんだ。上質なペールトーンのファッションに身を包み、颯爽と歩くその姿。なんてスタイルをしているんだ。なぜそんなにサングラスが似合うんだ。そして御曹司。もう文句のつけようがないじゃないか。程よく闇を抱えているその佇まいも、でもきっと誰よりも優しい心を持っていそうなところも、何もかもがパーフェクトである。そんな倫太郎という完璧なキャラクターを完璧に演じる綾野剛。惚れてまうやろ。

 

そんな2人に加えて、脇の登場人物もそれぞれに味がありそうだ。中でも倫太郎の弟・榮太郎を演じる渡邊圭祐は今まで陰のほうのキャラクターを演じる印象が強かっただけに今回の軽やかさはとても魅力的である。きっと本作を経て一気に飛躍していくんじゃなかろーか。

 

設定は突拍子もなさそうな雰囲気だが、ストーリーは王道のラブストーリーになるのだろう。ファンタジー方面をどう見せるかによってドラマの印象は大きく変わりそうだなーとは思うが、何も考えずただただ2人の恋の行く末を見守ることが出来そうなこのドラマは個人的にとても癒しになりそうで、毎週楽しみに観たいと思っている。

大豆田とわ子と三人の元夫 1話 感想

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刺さる。

 

とにかく心に刺さる。

そして休止していた連ドラ執筆を復活してくれてありがとうな坂本裕二の冴えに冴えわたる脚本よ。

 

正直なところ、いつまでたっても「やっぱり坂本裕二最高!!」って言いたくはない。若い世代の活躍をこそ、期待はしているんだけれども。

 

それでも、やっぱり、今回も見入ってしまう。

 

いちいちうまくいかない、

いちいち不器用な、

いちいち人とずれてしまう、

おそらく結婚不適合者な大豆田とわ子(松たか子)と、

とわ子の元夫3人の物語。

 

 それぞれにヒストリーがありまくるとわ子と元夫3人の関係性、それに加えてその3人にそれぞれ絡んでいく3人の女性たちまで登場し、この先の展開が全く読めない。

 

今年大ヒットしている坂本裕二脚本の映画「花束みたいな恋をした」で描いた恋人の”出会いと別れ”とはちょっと違うのは、”結婚”っていうのはどうしたって当人同士だけの関係ではなくなってしまうっていうことで、お互いの家族や、子供がいれば子供や、もしそれらがいなくたって、なんでだか書類を提出するだけの、たかが制度であるはずの、”結婚”というものをした途端に2人の間に”家族”という概念が生まれてしまうっていうところで。

きっと本作ではそんなところにも切り込んでいくのだろうし、とわ子を通して、些細な、微妙な、言葉にはなかなか出来ないような色んな感情を、一緒に味わっていくのだろう。

 

余談だが、ナレーションに伊藤沙莉を起用したのは作り手が「映像研には手を出すな!」のあの最高な浅草みどりを観たからだよなーと勝手に思っているし、

 

もう一個余談だが、とわ子の親友の綿来かごめ(市川実日子)は「カルテット」のすずめのセルフオマージュというか、違う世界線でのすずめの未来というか、ちょっとした坂本裕二からのサービスなのかなとこれまた勝手に思っている。

 

「1人でも大丈夫だけど

誰かに大事にされたい。」

 

そんなとわ子の物語。

2話が、待ち遠しいなっ。

天国と地獄~サイコな2人~ 9話 感想

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予想していた通り、というか予想以上に「おんな城主直虎」の政次の焼き直しかという展開。作り手はとにかく不憫な高橋一生が一番魅力的なのだと確信しているのだろうか。

 

 

でもね、

 

 

2013年から高橋一生を追いかけ続ける生粋の高橋一生ファンの私が本当に観たいのはね…。

 

 

完璧なサイコパスを演じる高橋一生なんだよっ!!

 

 

1話からほんのりサイコパスと見せかけてサイコパスではありませんな雰囲気を感じさせていたから、ストーリーが進むにつれても気になるのはあくまで真犯人は誰かってことに集約されていた。

そんな中私は、実行犯は日高(高橋一生)であることを期待していた。

どんな事情があるにせよ、殺人を犯したことには間違いないという展開をこそ期待していたのだ。

しかし9話で明かされたのは日高はただ、殺人を犯す双子の兄・東朔也(迫田孝也)の痕跡を消す手伝いをしていたに過ぎないということ。それでも立派な犯罪ではあるが、あまりにクリーンな日高に正直拍子抜けしてしまった。

 

きっと最終回では彩子(綾瀬はるか)が日高を救うべく奔走するのであろう。

少し意外な事実が何点か明かされるかもしれないが、最終的には彩子は日高を救い出し、それぞれの道を歩いていくラストなんだろう。

もしかしたらそこにラブが生まれる展開もあり得るのかもしれない。

それはそれで面白い最終回だろう。

 

 

それでも。

 

 

私はまだあきらめてはいない。

電話ボックスで話す彩子に近づく日高の妙に不穏なショット。

ふとしたときに見せる日高の何とも言えない表情。

やけにテンプレートな高橋一生の扱い方。

 

これは全て最後の最後で視聴者をアッと驚かす伏線ではないか。

 

いい人だと思わせて、実は本当のサイコパス殺人者は日高でしたオチなんじゃないか。

 

きっと最終回で私が見たかった高橋一生が見られるんじゃないか。

 

鍵を握るのは、あのSDカード。

あのSDカードが、日高を救うアイテムとして機能するのか、日高の本性を晒すアイテムとして機能するのか…。

後者の展開を期待しつつ、ほぼほぼ前者なのであろうとは思っていますが、

 

なんにせよ、

 

最終回を心待ちにしております!!

 

オー!マイ・ボス!恋は別冊で 8話 感想

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なるほどなっ。

 

今まで散々「何が恋は別冊でだよ。別冊じゃないし。思いっきり本誌だし。別冊は仕事のほうだし。そもそもこの主人公仕事なめすぎだよね?」って視聴者をイラつかせるだけイラつかせてね。

 

ジャニーズっぷりを最大限に活かしてキラキラキラキラした王子様キャラの潤之介(玉森裕太)を作り上げたりしてね。

 

そんな長い長い伏線ののちに、

 

タイトルは物語の最初じゃなくて最後にかかるっていうことなんだね。

 

最後の最後に恋が"別冊"になるんだね。

 

了解了解。

 

萌音も菜々緒も、恋は別冊。

 

そう思うと、何気に本作は計算され尽くしたドラマだったんだなー。

 

お仕事ドラマだと思いきや主人公は潤之介に夢中で仕事は片手間で、それなのになぜか仕事も場当たり的にうまくいってみんなに認められて、いやいやどーなの、それってどうなのってモヤモヤっとさせて、結局ただの妄想恋愛ドラマかよって思わせて。

 

まあそれならそれでいっか、萌音ちゃん可愛いし玉森裕太が役に徹してキラッキラだし当て馬担当の間宮祥太郎は全方位でいい男だし、ファンタジーだと割り切って最後まで楽しんじゃおうって思わせて。

 

そうしてついに白馬に乗った王子様がお姫様を迎えに来ましたよ展開!!

 

からのね。

 

何その奈未(上白石萌音)の「あれ?」みたいな顔。

 

あ。

そうか。

 

ここにきて、ようやっと奈未の物語が始まるのか。

 

どういう結末になるのか分からないけれど、何をどう選ぶにしても、

ずーっとずーっと受け身であり続けた奈未が初めて自分で自分の人生を選択するドラマだったのか。

 

となった瞬間、今までの展開が全部腑に落ちましたよっ。

 

菜々緒が唯一の楽しみで観続けたドラマだったけれども、

ここにきてラストがとても楽しみになりました。

 

従来のハッピーエンドではなく、今の時代のアップデートされたハッピーエンドを提示してくれると期待しています!

君と世界が終わる日に 1〜7話 感想

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1話見終わった瞬間に「もう観なくていーかな」なんて思ってチラ見程度に観てきた本作だけれども。

 

後半に入ってなかなか面白くなってきたよ!!

 

自動車整備工の間宮響(竹内涼真)がトンネル崩落事故に巻き込まれ立ち往生している間に一変したゾンビ(本作ではゴーレムという呼び名。なんで?なんでゴーレム?)がうようよする世界で、離れ離れになった恋人の小笠原来美(中条あやみ)を探しながら仲間たちとサバイバルしていくというのが簡単なあらすじなんだけれども、

 

1話でなぜ萎えたかといえば、大好きなゾンビ物に一番大切な要素である”ゾンビ造形”がひどいクオリティだったから。

ゾンビ物作るときにそこは絶対手を抜いたらあかんやつ。

ただゾンビメイクしたエキストラを適当にゾンビっぽく歩かせたらあかんのよ!!

しっかりとしたヴィジョンをもってゾンビを作りこんでくれなきゃ。

そこを疎かにしたらもう負けよ。

駄作よ。

 

ってね。

憤っていたわけですよ。

 

まあでもね。

 

慣れるわ。

 

観てるうちに、あのへなちょこゾンビってかゴーレムも見慣れるもんで。

 

そうするとストーリーもするするっと入ってくるようになってね。

 

いつのまにか楽しく観ております。

 

最初響と来美の高校時代からの仲良し回想シーンが毎度毎度ラストで流れるのにも、

 

いちいちうざいな

 

くらいに思ってたわけだけれども、

 

後半に入ると、徐々にそれを敢えて毎度毎度流していた意味がわかってきてね。

 

おーこういう展開になるんですか!!

 

とちょっと意表を突かれたりして俄然前のめりです。

 

ゾンビ物あるあるな展開(ゾンビより人間が怖い展開や、大切な仲間がゾンビになっちゃう展開などなど)もちゃんと踏襲しているし、

今のところ黒幕的な首藤(滝藤賢一)のキャラも滝藤賢一がやり過ぎてて面白いし、

 

続きが気になるぞ。

 

ってね。

 

けっこうハマってきたのにさ。

 

シーズン2はHuluだもんね。

 

最初から知ってはいたけどさ、

 

これ一番気になるところで、

 

続きはHuluでだよね。

 

気持ちは複雑。

 

でもきっと最後まで観てまうなー。

 

そんでほいほいHuluに入会する自分の姿が見えるような気もするようなしないような。

 

なんとも悩ましいドラマだなっ。

天国と地獄〜サイコな2人〜 4話 感想

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正直さーあんまり面白くないかもなんて思っちゃってた。

大好きな高橋一生の入れ替わりのお芝居は見ててとっても楽しいし、

最近お目にかかっていなかったコミカル一生も存分に満喫出来るし、

高橋一生好きにはたまらんドラマなだけに、

微妙な面白くなさがしんどって思ってた。

 

 

 

でもね。

 

 

 

やっと面白くなってきた。

 

 

 

やけにスロースターターだったわ。

というか、面白くなってきたけど展開がスローだわ。

巷では大絶賛なだけに、きっとこれは好みの問題なんだろう。

 

さて物語は、1話の最後で彩子(綾瀬はるか)と日高(高橋一生)の入れ替わりが起き、

2話では日高になってしまった彩子が、とりあえずは逮捕されないようにとすったもんだあり、そんな中八巻(溝端淳平)が入れ替わりに気付き、

3話では日高が故意に落とした重要証拠になりうる皮手袋をめぐって八巻が奮闘したり、日高の彩子が奄美大島に行って日高が奄美大島に何らかの関係があることを知ったり、そんな中彩子の日高が殺人を犯したっぽい画像が日高の彩子に送られてきて、

 

そして4話。

 

彩子の姿で殺人が行われたことで、もう元に戻ったところでどうにもならなくなってしまった彩子。

途方に暮れるも、日高の彩子は、日高として社長の役割もこなさなければならない。

 

全然出来ない。

 

社長全然出来ない。

 

思わず警察の肩を持って取引先を怒らせてしまったり、

社員にどうしてしまったのかと咎められる始末。

 仕方なく日高の彩子は、階段から落ちて記憶が曖昧になってしまったことにする。

 そうと知った社員は不信感から一転、心から日高を心配する姿を見せ、 

記憶障害と聞いた妹の優菜(岸井ゆきの)も心配して連絡をしてくる。

妹は言う。みんなが優しいのはお兄ちゃんが優しいからだと。

 

日高って一体何者なんだ。

 

戸惑いを感じる彩子。

 

そこに彩子に疑惑を持つ河原(北村一輝)が絡んできたり、

血まみれの防護服を見てしまった陸(柄本佑)が絡んできたりするが、

 

そんな色々を乗り越えるために仕方なく協力関係を結びながら、

少しづつお互いのひととなりを知っていくにつれ、

だんだんと信頼関係が出来ていく彩子と日高。

 

小出し小出しで出てくる真実の要素も今のところ、何かの事情で日高が殺人を請け負っているのか、それとも殺人すらしていないのか、日高自身が二重人格なのか、日高の大切な誰かが二重人格なのか、後ろで操る誰かがいるのか、全く判別出来ない。

 

しかし、ようやく物語が動き出したのだ。

 

俄然、5話が楽しみである。

ようやく物語も楽しむことが出来そうで、本当に良かった。

次回からは思う存分、ドラマも、高橋一生も味わい尽くすのである。

俺の家の話 1〜3話 感想

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もう、今回のクールでナンバーワン間違いないだろうな。

本当に

面白い!!

 

42歳の落ち目のプロレスラーである寿一(長瀬智也)が、人間国宝で25年前に家を出たきり会っていない父・寿三郎(西田敏行)が危篤と知って家に戻り、父の介護やら何やらに奮闘していくという話。

 

テーマとしては重い話ばっかりなのに、

重くなり過ぎない。

でもしっかり伝わることは伝わる。

 

今、ドラマを主に観ているであろう所謂中年の世代には切実でたまらない内容が満載過ぎて、

それをこんな風に見事に描写してくるクドカンに敬服です。すごい。

 

能という伝統芸能を引き継ぐ責任と、それを維持することがどういうことかという現実と、お金の問題。

死が身近に迫ったときの”引き際”の問題。

介護の問題。

中年期になり嫌でも向き合わなければいけない人生の問題。

 

いずれ向き合わなければいけないけれど、みんなが避け続けてしまうようなことばかりを、

これでもかと持ってきて、

それを見た目軽やかに描いていく筆致。

クドカンにしか紡げない、唯一無二の物語になるのだろうな。

 

1話も2話も面白かったが、

3話があらゆる意味で本当に面白かった。

見どころがたくさんあり過ぎるので箇条書き。

 

・介護は”イベント”と思って。

・退院のプレゼント「スタップ細胞?」じゃなくてシルバーカー。

・プロレスしながら能もしたいという寿一(長瀬智也)に「ケガでもしたらどうすん      の?」と咎めながらウーバーイーツ的なバイトでバイクに乗って配達に向かう寿限無(  桐谷健太)。

・誰にもバレずに復帰する覆面レスラー「スーパー世阿弥マシン」。

・能で振り返るさくら(戸田恵梨香)の家の話。

・実は全部分かってる寿三郎(西田敏行)。

・元妻の妊娠に動揺する寿一。

体幹でつながる能とプロレス。

・スーパー世阿弥マシンごしに初めて寿三郎から褒められる寿一。

・寿三郎の本当にやりたいことは「もう一度舞台に立つ」。

 

コミカルに軽やかにリズミカルに描かれるひとつひとつの要素が濃い!

 

今後は寿限無や寿一の兄弟やその家族にもそれぞれスポットが当たっていくのだろうが、やはり寿一の歩む人生に、寿三郎が畳む人生に、注目していきたい。

 

とてもとても愛おしい大好きなドラマになる予感だ。