俺の家の話 1〜3話 感想
もう、今回のクールでナンバーワン間違いないだろうな。
本当に
面白い!!
42歳の落ち目のプロレスラーである寿一(長瀬智也)が、人間国宝で25年前に家を出たきり会っていない父・寿三郎(西田敏行)が危篤と知って家に戻り、父の介護やら何やらに奮闘していくという話。
テーマとしては重い話ばっかりなのに、
重くなり過ぎない。
でもしっかり伝わることは伝わる。
今、ドラマを主に観ているであろう所謂中年の世代には切実でたまらない内容が満載過ぎて、
それをこんな風に見事に描写してくるクドカンに敬服です。すごい。
能という伝統芸能を引き継ぐ責任と、それを維持することがどういうことかという現実と、お金の問題。
死が身近に迫ったときの”引き際”の問題。
介護の問題。
中年期になり嫌でも向き合わなければいけない人生の問題。
いずれ向き合わなければいけないけれど、みんなが避け続けてしまうようなことばかりを、
これでもかと持ってきて、
それを見た目軽やかに描いていく筆致。
クドカンにしか紡げない、唯一無二の物語になるのだろうな。
1話も2話も面白かったが、
3話があらゆる意味で本当に面白かった。
見どころがたくさんあり過ぎるので箇条書き。
・介護は”イベント”と思って。
・退院のプレゼント「スタップ細胞?」じゃなくてシルバーカー。
・プロレスしながら能もしたいという寿一(長瀬智也)に「ケガでもしたらどうすん の?」と咎めながらウーバーイーツ的なバイトでバイクに乗って配達に向かう寿限無( 桐谷健太)。
・誰にもバレずに復帰する覆面レスラー「スーパー世阿弥マシン」。
・能で振り返るさくら(戸田恵梨香)の家の話。
・実は全部分かってる寿三郎(西田敏行)。
・元妻の妊娠に動揺する寿一。
・体幹でつながる能とプロレス。
・スーパー世阿弥マシンごしに初めて寿三郎から褒められる寿一。
・寿三郎の本当にやりたいことは「もう一度舞台に立つ」。
コミカルに軽やかにリズミカルに描かれるひとつひとつの要素が濃い!
今後は寿限無や寿一の兄弟やその家族にもそれぞれスポットが当たっていくのだろうが、やはり寿一の歩む人生に、寿三郎が畳む人生に、注目していきたい。
とてもとても愛おしい大好きなドラマになる予感だ。