すききらい

主に連ドラたまに映画の感想(好き嫌い)を語るブログ。

中学聖日記 7話 感想

ひそかに今期1番ハマっているドラマである。山に囲まれた小さな町。噂は尾ひれがついてすぐに広まるような閉塞的な田舎町に聖(有村架純)は住んでいるんだということをこれでもかというほど描写してからの晶(岡田健史)との再会。再会した瞬間にあの瓶の中に閉じ込められたような画角に切り替わる。息苦しさを連想させるあの画角の映像が聖と晶の“息苦しいほどの恋”を表しているのか、それとも“瓶の中に閉じ込められて決して外には出れない恋”ということなのか…。聖はもう決して同じ轍は踏まないと決意する。

「もう来ないで。あなたがここに来たら 私はここで暮らせなくなる。私には、大事な生徒達がいるから それだけはできない。二度と来ないで」 

今ならもしかしたら…。晶のそんな希望を打ち消すように、聖自身の気持ちを今度こそ断ち切るように聖は晶に言い放つ。

聖の気持ちが痛いほど伝わって苦しい。今の生活を壊したくない、それも聖の本心だ。二度と間違えないと強く決意して頑張っているのに晶に会ってしまったらもうどうしようもないよな。相反する2つの気持ちが同時に存在するのはしんどい。

対する晶はぶれない。何よりも「聖ちゃんが好き」が大切で失うものは何もない、というか何を失っても構わないのだろう。その真っ直ぐな強すぎる思いが鋭い剣みたいに晶の周囲をばっさり切り捨てていく。誰のことも(聖のことも)傷付けるようにしか関わることが出来ない晶を見ていると苛立ちより不憫さが勝る。

最終回ハッピーエンドには絶対にならなさそうな2人の描写に付け加えてごっちゃごちゃにかき回してくれそう感満載の橘美和(村川絵梨)と一体いつ豹変するのかとしか思えないいい人過ぎる野上一樹(渡辺大)が不穏さにいろどりを添えている。

一方で強がりで純粋で一途な原口さん(吉田羊)が回を重ねるごとにどんどん可愛らしくなっていく。きっと幸せパートを原口さんと勝太郎(町田啓太)が担ってくれるんだろう。

来週が待ち遠しい。

僕らは奇跡でできている 7話 感想

こっち側からあっち側にもあっち側からこっち側にも橋が通って一輝(高橋一生)はとても順調だ。一輝の光の中にどんどん他人が入っていく。一輝が他人と関わることに少しずつ喜びを感じて他人を受け入れていく様子を見て、ただただ嬉しい気持ちになる。そしてそんな一輝に影響を受けて育実も変わっていく。虹一のエピソードを通して育実は改めて自分を見つめ直すことが出来たようだ。一輝の過去も語られる。

虹一の母親の気持ちも育実の生き方も一輝の過去も、私達の日常だ。多かれ少なかれ他人の目を気にして育児しない親はいないだろうし、変わった子供はどうにか周囲に打ち解けて欲しいと思うし、苦手な勉強は頑張らせるだろう。他人からの評価が欲しくない人間なんていないだろうし、自信を持ちたくて少しでも他人より秀でた何かを持ちたいと願うし、実際にその為に努力する人はすごいと思うだろう。今までバカにされてばかりならその人達を見返してやりたいと思って当たり前だろう。自分の好きなことで思いがけず評価してもらえてその評価に囚われてプレッシャーになって好きなはずだったことが苦痛で仕方なくなるなんてあるあるだろう。みんなどっかでいつも他人を意識しないでは生きられない。

…はずなんだけれど、このドラマを観ていると「あれ?そうだよね、なんで他人の目を気にしてるんだっけ?」「あれ?そういえば誰かから直接非難されたことなんてあったかな?」「そもそもどうして苦手なことは克服しなきゃいけないんだろう?」って今まで思い込んでた全てのことがなんだかよく分からなくなってくる。本当に一輝のような価値観で生きていくことは現実にはなかなか難しいだろうが、それでも何となく生きるのが少し楽になるかもしれないと思わせてくれる上質なカウンセリングみたいなドラマだ。

良い台詞やシーンはたくさんあるが「100個すごいところ」を一輝が虹一に、一輝が育実に、虹一が母親に、育実が育実に言う場面がやっぱりすごく良かったなあ。言いながら自分が自分を受け入れていく。破った雑誌のページを貼り直す育実の表情にちょっと泣きそうになった。

「理科ができてもできなくても、僕は、いてもいいんだなあって思いました。」

 このドラマか表現しようとしていることはこの台詞に要約されている。どんな人でもいていい。シンプルで力強い。

次回は虹一と母親を通して少しずつ描かれていた「母と子」がメインテーマなのかな。琴音(矢作穂香)が唐突に話していた“父親の愛人”というワードが山田さんを表しているんだろう。最終回まで残り少なくなってきたが、最後まで一話一話大切に観たい。

大恋愛〜僕を忘れる君と 6話 感想

幸せなひとときから突然のホラー展開の6話。

序盤はただひたすらに尚(戸田恵梨香)と真司(ムロツヨシ)がいちゃいちゃしている。幸せ描写なのでムロツヨシも遠慮なくムロツヨシしている。このやり取り本当にずーっと見てられるなぁと思わせたところで子供を作るかどうかという難しい問題をぽんっと挟み込む展開が上手い。人それぞれで考えは全く違うだろうし正しい答えもないだろうけれど、産んだ子供を忘れてしまうかもしれない尚にとっては酷な提案だと思ってしまった。次週の予告では尚が子供を作る決意をするみたいだったが、そうだとしたら尚は本当に強い人だなぁ。

『脳みそとアップルパイ』の続編は書かないと断言した真司。尚を表に出すことも決してしないと決めているようだ。今の時間を2人だけの宝物にして大事にそっとしまっておきたい。そんな気持ちは分かるような気がする。

侑市(松岡昌宏)はすっかり結婚する気はなさそうだ。尚を本気で好きになったことで義務としての結婚には興味がなくなってしまったんだろう。侑市が独身でいることがこの先の展開に何らかの意味を持つんだろうか。出来ることなら侑市は侑市で幸せになって欲しい。

その侑市からの提案で尚は医学生の前で自身の体験を語ることになる。原稿を考え何度も繰り返し読んで練習する尚がなんとも愛おしい。登場シーンから不穏さを感じさせていた松尾(小池徹平)がここから物語に絡み出す。講演会当日、ハウリングで突然意識を失う尚。いきなり病状が悪化してしまうのかという不安もさることながら、病室に現れ意識朦朧の尚にキスをする松尾が怖すぎる。このサイコパス風味の松尾の狙いは何なんだよー。唐突なホラー展開に戸惑いながらも来週も楽しみだ。

獣になれない私たち 6話 感想

距離が近付いたと思ったらそうでもない。何か変わるかもと期待したらほとんど変わらない。物語の展開が牛歩並みの速度で、それも行ったり来たり。誰の目線に立ってもしんどい。報われない。みんなおバカさんで等しく悲しい。ある意味とてもリアルだ。そうそう人はそんなに簡単には変われないんだよ、そんな風に思いながらもやっぱりどっか期待してしまう。どっかで壁を突き破ってくれる瞬間があるはずだ、観てきて良かった、そう思える瞬間があるはず…。と思いながらずっと観ている今作。面白くないわけではない。いやむしろ面白い。ただ本当に毎回しんどい。映画なら2時間で終わる。どんなにしんどい展開が続いてもそのまま終わる映画は稀有で、2時間後には「ああ観て良かったないい映画だったな」と思えるのである。連ドラでここまでずっとしんどいのは本当に辛いのである。

前振りが長いが、そういうわけで6話だ。

ややマイルドに、そしてコミカル要素を増やしつつ、しかし〈子宮全摘〉という女性にとってはしんどみ150パーセントくらいのエピソードをさらりとぶっこんでくる。しかも唯一と言ってもいいくらいの獣枠である呉羽(菊地凛子)に対してである。もうこうなったら救いは松任谷(伊藤沙莉)くらいしかいない。

晶(新垣結衣)と恒星(松田龍平)は言いたいことを言いあえる関係に進展したらしい。晶はまだまだ京谷(田中圭)が好きだし恒星は自覚がないだけで呉羽がまだ大好きらしい。そうかーそうかそうか、ふーん…。なんなら京谷エンドとか呉羽エンドとかあったりするのか?そうかー。いやさすがにそれはないでしょ。いやでもこんなに長く堂々めぐり観せられていたらいっそもうそのままでいいよね。それで橘カイジはいつ出てくるんだ。引っ張り過ぎにも程がないか。これは出てこないパターンか。京谷は無自覚ゲスがすごすぎないか。晶がちょっと本音を晒すと「今の晶可愛くない」とばっさり切る。晶が4年付き合っても京谷に何も言えない理由だろう。自分のイメージから少しでもかけ離れた相手を受容出来ない。ゲスい。善人の皮を被ったゲスは本当にしんどい。理由は違えど呉羽も同じだった。子宮全摘を恒星には言えなかった。大事なことを言えない関係なんて寂しいと呉羽は言う。それを聞いた晶はどう思ったんだろう。ここから変わるのか、そう期待してきっと来週も晶は変わらないのだろう。獣になれないさまをとことん観続けていきますよ!!

中学聖日記 6話 感想

3年経ってそれぞれに少しずつ気持ちが変化した登場人物達。

聖(有村架純)と晶(岡田健史)はそう簡単には再会しない。いるのかいらないのかよく分からない新たな登場人物や展開が、この先も暗雲だらけだと伝えてくれているようだ。もう少しシンプルに聖と晶の行く末を見届けたいのだけれど、それだとドラマにならないからごちゃごちゃするのは仕方がないのかな。

むせかえるような緑、田園、真っ直ぐな一本道、青空に佇む校舎、プールの水しぶき、こじんまりとした聖のアパートの部屋…。聖と晶がいるその田舎の風景が美しくて瑞々しくて切なくてどこかファンタジックだったのに対して、2018年にいる場所も同じくらいの田舎のはずなんだろうけれど、なんというかものすごくただの田舎だ。甘いファンタジーの世界は終わりで、これから始まるのはもっと現実的な世界ってことなんだろうか。

地に足をつけて生きていきたいと晶に背を向けた聖がどうなっていくのか、18歳になりどこか投げやりに見える晶がどう変わっていくのか、人が人を好きになることの愚かさやどうしようもなさを最後まで突き詰めて描いて欲しい。来週も楽しみだ。

 

 

 

僕らは奇跡でできている 6話 感想

今回は育実(榮倉奈々)回だったな。

「愛されたい。」思わず口から出た一言がきっかけで、育実の中にある頑丈な蓋が少しずつ少しずつ開いていく。

「おじいちゃん言ってたよね。光の中に他の人が入ること。それもまたいいんじゃないのかって。あれ思ってたより大丈夫そうだよ。」

案外こんなもんなんだろう。勇気を出して一歩踏み出す。そこまでが本当に大変でしんどくて面倒くさい。だから人はどんなに辛くても現状維持を選ぶ。今が最良だと思い込んで。本当の願いには気付かないふりをして。

「相河さんの言うとおりです。私は…。ウサギです。自分はすごいって証明したいんですよ。ほんとは自信がないから。」

素直な育実の気持ちが切実に胸に響く。

道のあっち側とこっち側に架けた橋をついに1匹のリスが渡る。一輝と育実の目の前で。育実の涙が愛おしい。一輝は自然に喜びを育実と共有する。

良いドラマだ。少しずつ一輝と周囲の人達との関係が深まっていく。毎週ちょっとずつのその変化をずっと見ていたいような気もするけれど、20年前とか山田さんとかタコが嫌だとか一輝の過去には不穏な何かがありそうで、そういうわけにもいかなそうだ。

 

大恋愛〜僕を忘れる君と 5話 感想

予告通りの、裏も表もないベタな展開ではありましたが、結婚式での尚(戸田恵梨香)と真司(ムロツヨシ)があまりに幸せそうで、戸田恵梨香が可愛い過ぎるし美し過ぎて、侑一(松岡昌宏)が2人を再会させるなんて粋過ぎて、つまりベタ最高でした。結婚の報告をしたときの尚の母薫(草刈民代)が嬉しさと安堵でポロポロ泣いてしまう場面も良かったな。

「もう 真司なら何でもいい 普通でも何でも」

「俺も 尚ちゃんだったら何でもいい」 

本当に人を好きになるってそういうことだよな、何でもいいんだよな。尚の闘病も真司の小説家としてのこれからも、きっとこの先色々なことがあるだろうけれど、どうかどうかいつまでもこの気持ちがお互いを支え続けていきますようにと思わずにいられない。

ムロツヨシの涙目がたまらない。ギリギリのコミカルさも好きで、個人的にはコメディのムロツヨシよりこっちのムロツヨシに今後需要が高まりそうだ。来週から第2章。まだ明るく観てられそうかな。出来るだけ長く明るく観ていたい。