すききらい

主に連ドラたまに映画の感想(好き嫌い)を語るブログ。

獣になれない私たち 5話 感想

役者のお芝居としんどみが凄い5話。

晶(新垣結衣)のうつろな目、能面のような笑顔、全身から漂う虚無感。

「かわいそうっすよ!それじゃあ…それじゃあ何か、二人とも晶さんのこと要らないみたいじゃないすか。」

何気なく挟まれた台詞が辛い。都合のいいように扱われ続けた女の末路みたいじゃないか。

ここからはもう抜け出せないのか…。晶が哀れで仕方がない。

哀れなのは朱里(黒木華)も同じだ。

綺麗に塗られたマニキュアを晶には見られたくない。口が裂けても京谷(田中圭)にまだ気持ちがあることは言いたくない。惨め過ぎて理不尽に晶を責めるしかない。

二人とも変わる勇気がなくて、何もかもなくす勇気もなくて、どんなに辛くても苦しくてもうさぎみたいに飼い主の膝や腕の中でじっとしている

高いビルの上で今にも飛び降りてしまいそうで怖くて誰かに助けて欲しくて必死にスマホの連絡先一覧を見る。誰もいない。晶には誰もいない。電話した先は京谷のお母さん千春(田中美佐子)だ。丁寧に描かれる千春の今まで。田舎から連れ出してくれた今は寝たきりの夫との出会い。「愛していれば乗り越えられますか?苦しくても辛いことが続いても…。」「もちろん。」すがるようにした質問の答えに晶は絶望する。堂々めぐりだ。

京谷は自分のマンションを手放す決意をして朱里の元を去る。朱里のペディキュアが悲しい。

晶が京谷との堂々めぐりから逃げ出すために咄嗟に取った行動で物語は動き出す。

welcome to new world。RPGのうさぎには新しい世界が待っている。

とにかく主要キャストのお芝居が巧み過ぎる。しんどいけれど惹きつけられる。展開にも希望が見えてきて来週も楽しみだ。