すききらい

主に連ドラたまに映画の感想(好き嫌い)を語るブログ。

フルーツ宅配便 4話 感想

演出が沖田修一にバトンタッチして少し軽やかになりつつも根底に流れるトーンは変わらない。このドラマで松尾スズキが大好きになってしまいそうなくらいミスジ(松尾スズキ)がいい味を出している。

4話はイチゴ(山下リオ)と老齢の元警察官の丸谷(嶋田久作)のお話。妻を亡くした丸谷は初めてのデリヘルでイチゴの接客を受ける。そしてイチゴの営業トークを真に受けて丸谷は運命を感じイチゴにどハマりしてしまうのだ。連日のロングコースでのご指名。仏壇の妻の写真を裏返し昔の服を引っ張り出しておしゃれをしイチゴとのデート(と丸谷は思っている)を重ねる。丸谷もさ、きっとどっかで現実は分かってるんだろうけれど、頭のスイッチをぐいっと押しちゃったんだろうな。老人の哀愁と言うにはあまりに痛々しい展開を辿り仏壇の妻の写真を元に戻してリセットする丸谷。しかしイチゴにとってはたまったもんじゃなかっただろう。そしてさらりと描かれた夢を追い続ける彼氏とそれを支えるために風俗で働くイチゴという背景。ちょっと『火花』の波岡一喜門脇麦を思い出しちゃったよ。同じ監督達だしね。また火花最初から観たくなってしまった。

えみ(仲里依紗)と咲田(濱田岳)と小田(前野朋哉)の中学生時代の出会いのエピソードとかさ、もうえみ死のうとしてたよなあって、ずっとずっとしんどいまま今もしんどいままだって思ったら、全然このドラマっぽくないけどそんなことどうでもいいから咲田にスーパーマンみたいにえみのこと救って欲しいって願わずにいられない。少ない描写の中でも登場人物一人一人がちゃんと“生きている”。来週も楽しみだ。