健康で文化的な最低限度の生活 最終話
えみる「ハルカちゃんにとっての幸せはやっぱり梓さんといることなんです。だからここにいればきっと梓さんだって…」
梓「幸せになれるはず?どうだろうなあ。だって私、幸せって何かわかんないから。」
えみる「ちょっと、梓さん。梓さん、梓さん、梓さん。大丈夫、大丈夫ですから、ここで、ここでもう一度新しい生活を始めましょう。新しい道に進むんです。梓さんがここにいてくれたら私は梓さんのそばにいます。私たちはこれからの生活のこととか仕事のこととか何でも相談に乗ります。だから梓さんはここにいて下さい。そうしたらきっと、きっといつか必ずハルカちゃんと生活できますから。梓さん、しっかりして下さい!お母さんなんですから!しっかりして…もう。」
現実的ではないかもしれない、ご都合主義的な展開だったかもしれない。
それでも、自分ではどうすることも出来ず落ち続けるしかない人に差し伸べようとする温かい手を、真剣に向き合おうとする眼差しを、1話から最終話までずっと真摯に描き続けた。
愛情を知らずに安心を知らずに途方もない孤独と無力感を抱えて生きてきた梓(松本まりか)に、きっと初めて届いた言葉だったのではないか。
変わろうとする梓。
阿久沢(遠藤憲一)も周囲の協力を得て、父親として娘としっかり向き合っていく。産むことを決意する娘。
これからも向き合い続けることを象徴する新しい自転車。
いいラストだったと思う。