この恋あたためますか 1話2話 感想
この4人が良すぎないですか?個人的には最高のキャスティングです。
コロナをあったことにするか、なかったことにするか、
秋に始まったドラマはみなこのとてつもなく難しい選択をしなければならず、
結果として本作はコロナをなかったこととして選択しているようです。
そんでもって、それは本作には合っていると思います。
コロナがなかったパラレルワールドの恋愛ドラマとして、とてもとても楽しいです。
主人公はアイドルを目指しながら挫折して、そこからなかなか前を向けないままコンビニでバイトしている井上樹木(森七菜)。スイーツに関する目利きが良くてインスタで発信しているスイーツ論評がものすごーく的確。相手役はそんな樹木がバイトをしているコンビニ『ココエブリィ』の社長浅羽拓実(中村倫也)。amazon的なエクザゾンなる通販会社から出向してきた所謂雇われ社長だ。
そんな2人が偶然出会って、再起をかけたコンビニスイーツの開発を目指していきながら恋が芽生える物語だ。2人に絡んでくるのが仕事仲間になる新谷誠(仲野太賀)と浅羽の元恋人でスイーツ課所属の北川里保(石橋静河)だ。
このね、4人がね、本当に良い。
お芝居も良い、佇まいも良い、顔も良い、醸し出されるそれぞれの雰囲気も良い。
これからどんどんどんどんテレビでも映画でも主演することになるだろう未来のエンタメの宝物みたいな人ばっかりだと思います。
特にね、今回個人的ないちおしは仲野太賀です。
「ゆとりですがなにか」のモンスター社員山岸役で注目されて、最近だと「今日から俺は!!」の今井が大人気だったし、現在はテレ東の深夜枠で南海キャンディーズ山ちゃん原作のドラマに山ちゃん役で主演したりしています(このドラマも面白いです)。
でもこの仲野太賀って俳優はそういうコミカルさではないところにこそ魅力があるんです。
「母さんがどんなに僕を嫌いでも」っていう映画に主演していて。
幼少から母親に虐待を受けてきた子供が大人になって、母親と向き合う物語なんだけど。その向き合い方が、すごくて。そんなこと出来ないよってくらいに愛がすごくて。そんな慈愛に満ち溢れた主人公を演じた仲野太賀が本当に魅力的だったんです。全然知らないけど誠実さがにじみ出てる人ってこんな感じって感じの俳優です。
そんな仲野太賀の魅力が今後も存分に発揮されそうなのが本作です。
きっと報われない恋で、でも誠実に樹木を支える存在。でももしかして途中闇落ちするかもしれない危うさも抱えていて、強さと弱さが同居するたぶん一番人間らしい役割を与えられているのが仲野太賀だと思います。
王道のラブストーリーでしょうが、キャストの魅力でその面白さが何倍にも膨れ上がるドラマだと思います。おすすめです。