すききらい

主に連ドラたまに映画の感想(好き嫌い)を語るブログ。

きのう何食べた? 11話 感想

まだまだ観ていたいのに、来週最終回かー!さみしいなあ。シーズン化してくんないかなあ…。

航(磯村勇斗)のわがままとシロさん(西島秀俊)の感情が炸裂した11話。航の言動にあたふたする小日向さん(山本耕史)とシロさんの気持ちに感動が止まらないケンジ(内野聖陽)の対比もまた面白く。ふと、この2人『真田丸』では石田三成徳川家康だったなあと思い出してあまりの違いになんだか余計に可笑しくなってしまった。

しかしやはり今回のハイライトはシロさんだ。

「きっと両親は俺がゲイだってわかったとき、俺のことかわいそうな子だって思ったろうって。

次に俺がこんなふうになってしまったのは、私たちの育て方が悪かったんじゃないかって…。自分を責めたかもしれない。」

ずっとずっとそんな風に思っていたのかと思うと、胸が張り裂けそうな気持ちになる。生真面目なシロさんだからこそ、そんな風に親に思わせていることが辛いし、親にそんな風に思われていると思って生きていくのも辛かっただろう。そんなシロさんがようやく、ケンジを連れて実家に帰る決心をする。少しでも自分は不幸ではないんだということを分かって欲しいって言うシロさんの気持ちと、それに全力で答えようとするケンジに愛おしさが溢れるよ。

このドラマ(というか原作かな)のすごいところは登場人物の心情をさらりと美味しそうな料理で表現してしまうところで、今回も冒頭のシロさん実家のシーンでは“とんかつのお肉に塩コショウしない”ことや“切り干し大根は砂糖やみりんを入れなくても自然な甘みがでる”ことでもって、余計なことはしない=男だとか女だとか余計なことを考えないということを暗に示していて、紆余曲折を経てシロさん父母が、シロさんが女だろうが男だろうが一緒に台所に立つのは楽しいし、シロさんの大事な連れ合いは連れて来て欲しいというシンプルな結論に至ったということをなんとも自然に表現しているのよな。もうひとつはあのめちゃくちゃ美味しそうなアールグレイと練乳のシャーベット。“固まりかけたらサクサクを繰り返す”っていうのはきっとシロさんとケンジの関係性で、あまり感情を出さないシロさんが人間味溢れるケンジと一緒にいることで、サクサクサクサクと少しずつ気持ちを解きほぐされて、今こんなふうに自分の気持ちを吐露しているんだと思うともう本当に胸熱なわけです。

そして一方、胸熱展開の脇で繰り広げられるケンジの指輪を巡る熱い戦い!ケンジの執念はしっかりと航に伝わったようで、悔しい航と何も気付かない鈍めの小日向さんの帰り道でのやり取りの微笑ましさも最高でした。

シロさん父母や大先生(高泉淳子)や富永夫妻を通してそれぞれの親の思いを描いている部分とか、まだまだ書きたいことはいっぱいあるのだが、とにかく最終回を楽しみにしています。大切に大切に観たいです。