すききらい

主に連ドラたまに映画の感想(好き嫌い)を語るブログ。

ジョナサン・レビン「ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋」

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2019年 出演:シャーリーズ・セロンセス・ローゲン

才色兼備の国務長官とうだつのあがらないジャーナリストとの恋愛をシニカルに描いたラブコメディ。(映画.com)

 2020年の初めに観た映画はこれ、ロング・ショット。ラブコメっていうかド直球の下ネタ満載だよ!しかし下品にならないのはシャーリーズ・セロンの凛とした佇まいのなせる技でしょうか。ついこの間「タリーと私の秘密の時間」っていう2018年の映画も観たんだけれど、そこで産後のボテボテっとした疲れた主婦を見事なまでに体現していたシャーリーズ・セロンは無かったかのように今作では見事な美貌とボディに戻っておりました。すげー。

そんな容姿端麗頭脳明晰な国務長官シャーリーズ・セロンと恋に落ちるのはどこをどう切り取ってもただのおじさんにしか見えない頑固な無職のジャーナリスト、セス・ローゲン。このセス・ローゲンね、映画の始めっから終わりまでずーっと変わらずただのおじさんなんだよ。格好良く見える瞬間とか渋く見える瞬間とか頼もしく見える瞬間なんて1個もない。格好良いのはひたすらシャーリーズ・セロンで、仕事とプライベートの狭間で悩んだり、理想と現実の間で苦しんだりしてるのも全部シャーリーズ・セロン。そんで正義や理想を押し付けたり、そんなに待てないよーとワガママ言ったりしてるのがセス・ローゲン。だからこの映画は従来の価値観をくるっとひっくり返した男女逆転のラブストーリーなんである。

そんな2人のラブストーリーはまあまあ良くある展開ながらも、ところどころ考えさせられるような台詞もあり、あり得ない下ネタを挟み、最後にはその下ネタが最高のラストを生み出すという作りになっております。実際にはそうはいかないだろうが、こんな世の中になったらいいなあとほのぼの思う展開だったなあ。学生時代に聴きまくっていたBoyz Ⅱ Menが序盤に登場したのも胸熱だし、何より今この価値観をさらりと提示した本作に爽やかな気持ちになりました。面白かった!!