ビールを飲みながら

主に連ドラのこと、あと日々のこと、大好きなビールをお供に。

クエンティン・タランティーノ「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

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1969年のアメリカがどんな時代だったかとか、ヒッピーとか、チャールズ・マンソンとか、シャロン・テート事件とか、事前に知っていた方が断然に面白く観ることが出来るのはそりゃそうで、日本人にとっての3.11や地下鉄サリン事件くらいの重大な出来事が下敷きとなっており、その事件が起きることを皆が知っているのを前提に作られた映画である。しかし仮に全く何の知識がなく本作を観たって充分面白い映画だと個人的には思う。とにかくこの映画を観たら誰だって前から好きだったブラピやディカプリオを前よりももっともっと好きになってしまうと思うのである。

思い出すだけでたまらない哀愁漂うディカプリオや、50代であり得ない肉体美を披露するブラピはそれぞれ落ち目の俳優とその専属スタントマンという役柄を魅力たっぷりに演じている。魅力というのは、格好良さではない。むしろ逆。中年のやるせなさ、情けなさ、保身、そしてそっからのがむしゃらさ、要するにこれでもかと格好悪いのが死ぬほど格好良いのだ。「タイタニック」のディカプリオよりも、「ファイトクラブ」のブラピよりも、この今のど中年の2人が本当にめちゃくちゃ良い。

ストーリーはほぼほぼこの中年2人と、1969年のハリウッドを映し出しているだけといえばだけである。プラスしてマーゴット・ロビー演じるシャロン・テートの映画館でのシークエンスが悶えるほどに可愛らしいというのが特筆すべきことくらいで、あとは公式で謳っているラスト13分まではこれといった山場はないのであるが、それでも全く飽きたりはしない。きっと映画通にはたまらない小ネタやその時代を知っている人達には懐かしい場面なんかも沢山あるんだろうけれど、それを知らなくても1969年という時代をワクワクしながら楽しむことが出来る。そしてファッションも巡り巡って今見て最高にお洒落で、それもまた楽しさのひとつだったりするのだ。

そして、台詞を忘れて自己嫌悪に陥るディカプリオのシーンや子役の女の子とディカプリオとのとあるシーン、ブラピの格好良さを凝縮したようなヒッピーとブラピが対峙するシークエンス、無駄に沢山出てくるブラピの運転シーンなどなど、思い出したい画面に満ち溢れている本作であるが、やはりラストなくしてはこの映画の面白さは完成しないだろう。ネタバレはしないので、ぜひ映画館で結末を見届けて欲しい。私は映画館を出て、久しぶりに映画を観た充実感で胸がいっぱいになった。最高に面白かったです!!