ビールを飲みながら

主に連ドラのこと、あと日々のこと、大好きなビールをお供に。

凪のお暇 9話 感想

それぞれの長い長い人生のお暇の終わりを予感させる10話。突然の夕(片平なぎさ)の襲来にふいに結婚話を持ち出してしまった慎二(高橋一生)と思わずそれに乗っかった凪(黒木華)が夕の圧にどんどん押されていく様子を面白可笑しく観せてからの、慎二の想像する結婚生活と凪のそれとの違いの何とシュールなことか。素直になれたんだかなれてないんだかよく分からない慎二のお暇は何とも微妙な形で終了したらしい。

もみ消すつもりの両家顔合わせは全然もみ消せない。ついにはエンドレスお返し地獄にはまる凪。オリーブオイル&ビネガーセットをお返しする凪はどこまでも凪な描写がなんだか愛おしく、ダンボールいっぱいの野菜を夕から送られた慎二母(西田尚美)の際立つ孤独さに身震いする。そうして両家顔合わせの日を迎えるのであるが、その前に、凪と慎二だけではなく、なんだかみんなワサワサしている。本気を出すと宣言したゴン(中村倫也)はなぜか日毎に顔に傷が増え、半世紀以上前に全てを妹になすりつけて逃げたと言う緑さん(三田佳子)はついにその妹に会いに行く決意をして旅立つ。坂本さん(市川実日子)はそんな緑さんに心の拠り所であるブレスレットをお守りにと差し出す。みんな一歩踏み出したのだ。

さて、そうして迎えた顔合わせ、というか慎二のおばあちゃんの米寿のお祝いの会。凪は決死の覚悟でモジャモジャ頭で参上するが、それどころではない展開が待ち受けている。最初からどことなく無粋な表情を浮かべていた慎二母は、凪と夕の素性調査をしており、嘘ばっかりだと2人を責め立てる。まるで誰もいない家に大量の野菜を送り付けられた屈辱を果たさんとするように。すると今度はなぜか慎二の兄慎一(シソンヌ長谷川忍)が会場に現れ、我聞家の内情を暴露し始める。慎一はきっと慎二を救いに来たんじゃないかなあと思うがそれはさておき、そんな惨状を慎二は必死に取り繕おうとしている。それはもう必死に。凪はそんな慎二を見て、やっと知る。慎二は自分だって。見えてなかった慎二の本当の姿を知った凪はさ、自分のためというよりか、慎二を見ていたたまれなくなったんじゃないかなあ。突然、夕に本音を話し出す。勢いにのって辛辣な言葉をスラスラと夕に吐く凪に、ようやく言えた良かった良かったとならないのは緑さんの「家族ってやっかい」の言葉があるからだろう。案の定、慎二と一緒にその場を後にしてから凪も慎二も後悔の念に襲われまくる。

「子供のころは

空気なんての見えてなくて

かっこいい父さんがいて

優しい母さんがいて

面白い兄貴がいて

幸せで

でもそれが全部

全部が嘘じゃなかったって

そう思いたかったのかな俺

バカだな」

そう言う慎二に呼応するように凪が言う。

「 牛乳つけたビスケット食べながらお母さん待ってて

100秒たったら帰ってくるって

数えて

ゼロになったらまた100秒って数えて

お母さんの靴音がして

扉が開いた瞬間が

一番幸せだった」

 家族はやっかいで、一筋縄ではいかなくて、憎いのに、愛おしい。毒親だから切り捨てる、なんてそんなに簡単なもんじゃないよな。本当に家族って面倒くさいもんだよな。それでもまあ、凪と慎二もやっと一歩を踏み出した。

ひとしきり泣いた2人は立川へ戻ってくる。知らず知らずに打ち解け合う凪と慎二にほっこりさせる暇を与えず、車に突っ込むゴン。危険を顧みず辿り着いた凪に思いを伝えるよ、回収した何十個もある鍵とともに。鍵の数に恐れおののいて告白が全然頭に入って来ないし、慎二のびっくり顔についつい笑ってしまうけれど、さて凪はどうする。

まあ普通に考えたら、どっちともくっつかないのがセオリーよな。とは思いつつ、せっかくだからどっちかとくっついて欲しいような気もするし、慎二は円(唐田えりか)と付き合って欲しい気もするし、凪と坂本さんのコインランドリーの夢の続きを見たい気もするし。とにかく最終回、楽しみです!!