すききらい

主に連ドラたまに映画の感想(好き嫌い)を語るブログ。

凪のお暇 6話 感想

内容盛りだくさんの6話。バブル2号店でボーイとして働くことになった凪(黒木華)がお客さんとなかなかうまくコミュニケーションをとれないと思い悩むところから、今までも薄々と視聴者に感じさせていた凪の本質に焦点を当てていく。

「あんたが相手に興味ないからよ」

凪みたいに常に受け身で自分から人間関係を築くことを放棄している人は、自分に自信がなくて、自分が傷付くことを恐れて、自分を守ることばかり考えてて、結局相手のこと何も見ていない。気軽に話しかけてくれる相手も自分と同じように嫌われるのは怖いってことを知らない、というか知る余裕がない。無意識のうちに話しかけてくれる人達を上から目線で評価して、判断して、よく知ろうともせずに愛想笑いで表面的に付き合って、それで知らないうちに疎遠になったり敵対したりする。そんな長々としたことを“相手に興味がない”の一言でズバッと表現するのが粋である。凪はそんな風に言われて、そして考える。考えて行動する。形だけのリセットから、少しずつ少しずつ凪が自分を見つめ直していく展開が愛おしい。そしてそんな凪に初めて出来たお友達、坂本さん(市川実日子)のこれまでの人生が今回ライトに語られるが、もう辛い。空気を読み過ぎるのも辛いが裏を返せば空気が読めるということだ。空気を読めない辛さとはなんというか辛さの質が違う気がする。空気が読めない坂本さんは、もうどうしていいか本当に分からなかったんだろうな。

「もううんざりなんです

休むのも戻るのも

いい加減前に進みたい

前向きに 前向きに

そうじゃなきゃ

自分がみじめで見てられない」 

 何度も腕にはめたブレスレットをさする。力を下さい、生きる勇気を下さいって切実に願うように…。クリーンな職場より自分を必要としてくれるブラックな職場を選ぶ。疑問があっても、消耗しても、前向きに前向きに。そんな坂本さんの気持ちを想像するしか出来ない。もう本当に色々とシビアだよこのドラマは。そして、そんな凪とそんな坂本さんが本当の友達になる瞬間。甘いの食べたいねって坂本さんが言って凪がわかるーって言う。初めての心からのわかるーだ。もう書いてて泣いちゃうくらいに好きなシーンだ。人生ゲームでも一歩ずつしか進めない凪の、その確実な一歩が心から嬉しい。

一方今回の慎二(高橋一生)。慎二は慎二で盛りだくさんで、どんどん人間くさくなる慎二から相変わらず目が離せない。せっかくオフィスラブを満喫していたのに、バブル2号店で凪に会っちゃっておじゃんだ。しかし慎二、凪の時と同じことを繰り返しているよ。凪の前で円(唐田えりか)を“同僚”として紹介する。慎二はいつでも今一番優先しなきゃいけない順位を間違える。そういうとこだよ慎二、自分から遠い人の気持ちは大切に出来るけど自分に近ければ近いほど傷付けてしまう、そういうところだよ慎二。根は優しいのも物凄く不器用なのも分かるし可愛い。見てる分には可愛いけれど、近い存在にはやっぱりたまったもんじゃない。とにかく素直になって下さいと願うばかりだ。

もう一方ゴン(中村倫也)は初めて恋をしたようで。中学生みたいなゴンが可愛過ぎる。この恋の行く末を全力で見守りますよ。

それでもって登場人物がそれぞれに濃ゆい展開を見せたにも関わらず、最後の数分で全部持っていった凪の母大島夕(片平なぎさ)の存在感ってば。こわいってば。

余談だが、凪のお暇のホームページ、何でゲーム仕立てなんだろうなって思ってたんだけれど、今回で腑に落ちた。このドラマRPGなんだね。少しずつ強くなる。一歩一歩進む。1人ずつ仲間を増やす。自分で話を聞いて進むべき道を見付ける…。そんでRPGには必ずラスボスがいるんだけれど、それは凪母なのかな、それともラスボスは凪自身だったりするのかな。

兎にも角にも次回も楽しみで待ち遠しいです。