ビールを飲みながら

主に連ドラのこと、あと日々のこと、大好きなビールをお供に。

きのう何食べた? 9話 感想

「わかってる?自分がすごく恵まれてるって。」

「別れるつもりがないならパートナーは大事にしなよ。」

ケンジ(内野聖陽)の言葉にドキッとして、テレビの前で三宅(マキタスポーツ)と一緒に何も言えなくなる。家族であるというだけで、どことなく安心しきって胡座をかいて時に大切なはずの家族をおざなりにしてしまう。三宅にとってのそれは浮気だけれど、例えば小さなことだって同じで、連絡を忘れてしまうとか、やってくれたことが当たり前になっていちいちありがとうを言わないとか、そんなことが相手の気持ちを少しずつ損ねているかもしれないなんて考えてしまう。

恋愛絡みの嫉妬やら何やらの感情は素直に表せても、例えば相手の家族のことなどそうじゃない部分には遠慮しながら少しずつ少しずつ程よい関わりを探っていったり、ゲイを隠す隠さないというスタンスの違いですれ違って互いに傷付いてしまったり(どっちの立場も苦しいしそもそもどっちも悪くないのに。)、何より別れようと思えば簡単に別れられる。ほんわかした中にとてもセンシティブな関係性がいつも潜んでいるシロさん(西島秀俊)とケンジだからこそ、互いに危機感を持って意識して相手を大事にしているんだ。

そんな互いに大事に思い合う象徴が食卓でさ、愛情を込めてシロさんが料理を作り、愛情を込めてケンジが食べて、2人で囲む食卓をとても大切にして、そして一緒にご飯を食べる以外にも、ケンジの好きな桃を買ってくるシロさんとその桃を食べるケンジとか、熱を出したシロさんのために腕をふるいだし巻き卵や雑炊を作るケンジとそれを食べるシロさんとか、それぞれが1人で食事をしたときに感じる相手の存在感とかさ、とにかく食卓を通して愛情を受けたり渡したり、感じたりしている。そんなものが全て詰まっているから、出てくる料理がどれもこれも温かくて本当に美味しそうに見えるんだよなあ。

だからケンジは指輪という形のあるものでシロさんから愛情を示してもらって、もちろんとっても嬉しかったけれど、指輪の裏に潜むシロさんの気持ちの方が何倍も嬉しかったんだろうな。指輪もシロさんの気持ちもシロさんも全部「大事にする」と言ったケンジの言葉を照れたような笑顔で受け止めるシロさん。結局2人とも指輪は付けておくことは出来ないから、愛情は今まで通り食卓の中で確認し合うのだ。

パートナーを大事にする。そんな基本的なことをないがしろにしていた自分に気付いてハッとして、少しでもシロさんとケンジのように相手に愛情を伝えていく努力をしようと改めて思う素敵な回でした。次は10話か。残り少なくなった話数にさみしさが募るなあ。