すききらい

主に連ドラたまに映画の感想(好き嫌い)を語るブログ。

中学聖日記 11話 最終話 感想

12月は何とも変則的な毎日で慌ただしくて全くブログを書く時間が取れない。まあ単に要領が悪いだけとも言えるが、こよなく日常を愛する私としては早く年末年始を過ぎて普通の日々に戻ることを願うばかりだ。

というわけで最終話からもう1週間も経ってしまった。ハッピーエンドな最終話であったが結末の付け方はとても現代的だった。誰も傷付かず筋を通し清々しい。ひと昔前なら愛子(夏川結衣)や勝太郎(町田啓太)、変化球でるな(小野莉奈)あたりが暴走してもつれにもつれ刺したり刺されたりなんかのバイオレンスな展開になったりして最終的には結ばれないというのが王道であった気がするが、そんなことには全然ならない。愛子はただただ晶(岡田健史)の将来を考えて自分が憎まれることを覚悟しての行動であり、勝太郎も根底には自分のプライドを守るためという理由もありつつ純粋に聖(有村架純)を心配していた。塩谷校長(夏木マリ)が言う通りに「間違っているのは末永先生」なのだ。

思いが通じ合っていれば大丈夫、晶が成人するまでの辛抱、それまで待てる、だから思い合うことだけは許して欲しい、分かって欲しい。聖はそんな風に思っていたんだろう。しかしそれは違った。晶は聖で心がいっぱいで全ては聖と一緒にいる為ただそれだけで行動している。自分の将来も未来も見えていない。周りを見ようとしていない。それは自分を大切にしているようで大切にしていないこと。そう気付いた聖は晶と二度と会わない決意をして誓約書にサインをした。それを知らされた晶も考える。

「私もね 考えた  聖ちゃんみたいに 誰のために何ができるか どうするのが正解なのか でも気づいたの 正解なんかない 分かるわけもない だから… 自分自身の正解を探すの 一人で立って進む先に 答えがあるって信じてる」

 聖と晶が出す答え。相手の幸せを願うこと。自分の道を歩いていくこと。素敵な素敵な観覧車での別れのシーンを経て、それぞれの道を歩んだ二人の5年後の最高の笑顔…。

本当に良いドラマだった。まぎれもなくこのドラマは恋愛ドラマの形を借りた末永聖という一人の人間の成長物語だった。自信がなく自分を抑え生きてきた聖が晶と出会い戸惑いながら自分に素直になることを知り、本当に人を好きになることはどんなことかを知り、精一杯自分を生きることを決意するまでの素晴らしい物語。

有村架純の眼差しの一つ一つが最高でした。岡田健史も1話のたどたどしさから素人でも分かるくらいにぐんぐん成長していって最終話は本当に素晴らしかった。この先もとても楽しみだ。そしてもちろん私のいちおし原口さん(吉田羊)も最後まで最高でした。すごく好きなキャラクターだったな。破天荒そうで全然そうじゃない、めちゃめちゃ繊細、すっごく乙女、でもすっごく男前。こんな人近くにいたら絶対放っておけない。この原口さんをここまで魅力的な人物にしたのはやっぱり吉田羊の力だよな。町田啓太も弱くてずるくて誠実な何気に難しい役をさらりと絶妙なバランスで見せてくれた。脚本演出演者三位一体の上質ドラマを堪能しました。最高に面白かった!!