幡野 広志「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」
35歳の写真家で、がんで余命3年と宣告された著者が2歳の息子に向けて綴った言葉の数々。
子育てについて、核心をついた言葉を平易な文章で表現している。
とともに、がん患者として率直に思うところを書いていて、子育て中でもあり身内にがん患者がいる私にとって非常に胸を打ちかつ参考になる本である。
以前からツイッターだったりブログだったり、質問箱だったり、幡野さんはいつでも物事を真っ直ぐに見つめ言葉を紡ぐ。
その言葉一つ一つがどこから出てくるのだろうと思っていたが、本書を読んでその答えが少しわかった。
幡野さんは小さな頃からずっと考え続けているんだという。
どんなことも理不尽なこともとにかく自分の頭で考える。
考えて出てきたものに正解も不正解もなく、あるのは圧倒的な迫力だ。
常識(と呼ばれているもの)や世間にとらわれずひたすら自分の頭で考えること。
それがどんなに大切なことかを気付かせてくれた本だ。