猛暑も豪雨も台風も地震もまるで異国の出来事だった北海道民がほんのり被災して思った色々。
せいぜい震度3くらいしかほとんど経験したことのない地元を真夜中突然に襲った震度5の地震。めちゃくちゃびびった。
寝室が1階で、地面がボコボコ波打ってるような感覚がダイレクトに伝わってきてなんだこれどうなるんだこれと子ども達の上に何か落ちてこないよう棚から遠ざけるくらいしか対応出来ず。
あんな時冷静に行動出来る人ってすごいなあ。
何が起きたかとテレビをつけてすぐにバチンとテレビ消える〜停電〜。
朝になってとりあえずちっさい人のオムツがなくなりそうで、これからどうなるかも分からないし買えるうちに買っておこうと車で出発。
こ、怖え〜。
信号が機能してない交差点カオス過ぎるよ。
なんとか西松屋。
大行列。
パートの方達が一つ一つバーコードを読み上げて書きとめて、値段を一個ずつ確認しにいって…ってめちゃくちゃ必死に対応してくれてるよ。
もうちょっと効率的な方法もありそうだけど、お客さん1人につき10分以上かかっちゃってるから、お客さんの手も借りちゃえば良さそうな気もするけど、子ども放ってお手伝いするわけにいかないし、パートさんも自分の家心配だろうに必死に頑張ってくれてるし、まあ気長に待とう、みたいな空気感で店内が満ちておりました。
そして約3時間レジ待ちをしてオムツを購入。
家に戻ると命綱のスマホが圏外。
停電の影響で電波塔から電波出ない?のね。
情報から遮断されると途端に押し寄せる孤立感。
しばらく車内でラジオを聞きながら過ごすも、暗くなる前に食事を済ませてしまわなければ。
情報は諦めて食事の用意。
しかしなんだか不安で落ち着かない。
ラ、ラジオが欲しい!!
電池式のラジオが欲しいよー!!
もしかしたら実家に余ってるかも。
連絡取れないから直接行くしかないな。
暗くなる前にと食事の用意を中断し、カオスな交差点をなんとか乗り越え車で15分の実家へ。
ありました!!古いけど聞くには支障なし。
急いで自宅へ戻り、ラジオを聞きながらご飯を食べる。
食べてる途中で真っ暗に。
ランタンの小さな灯りで食べる家族。
なんかちょっと笑えてくる。
ラジオの声聞いてるだけでなんとなく安心。
無性に音楽が聴きたくなる。
なんでだろうこんなときに。
AMからFMへ。
情報の合間合間に申し訳なさそうに遠慮がちに流れるミュージック。
夜ベランダで見上げた空にはびっくりするほど沢山の星がある。
流れ星がビュンビュン飛んでいる。
願い事し放題だな。
子ども達はいつもと違う感じに怖さもありつつワクワクもするようでなかなか眠らない。
ようやっと寝てシーンと静まり返った部屋。
することもなくポツンポツンと夫と話しながらなんとなしに日中のことを考えていた。
地震が起きてからスマホが圏外になるまでの数時間に怒涛のように流れてきたツイッターやラインからのお役立ち情報。
正しい情報とそうではない情報が乱立していた。
午後から市内全域で断水になるという情報がもたらされた時には慌てて鍋という鍋に飲料用の水を汲み備えたが断水にはならなかった。
知り合いの自衛隊員からとラインで拡散された「数時間後にもう一度大地震が来る」だとか、みんな信憑性があろうがなかろうが善意で拡散しているのだろう。
西松屋でおそらく非番なのに駆け付けて、私服のまま黙々と対応されている店員さんがいた。
社員なのかパートなのかは分からないが、その方が来てからレジのスピードが格段に早まった。
停電があと1ヶ月続く想定ですか?っていうくらい沢山の量を買い占めている人達がいた。
色んな人がいるなあ、と真っ暗な中でぼんやり考えていた。
次の日の夜地元の停電は解消された。
テレビを付けると土砂崩れや液状化など一部の地域での様子が繰り返し繰り返し流されている。該当地域の方々は本当に大変だと思うが、電気が復旧して通常に近い生活に戻れている人達も沢山いるだろう。
確かに物資は不足している。
職業的に深刻な状況の人達もいるだろうが、多数は少し不便で窮屈な生活を1週間ほど強いられるだけだ。
しかしテレビを観ているとなんだか北海道全体がとんでもない被災に見舞われているような感じだ。
災害時の報道や情報の在り方について、ほんのりとだが被災したことで分かることがあったのが自分の中では収穫だ。
収穫といえば、停電で冷蔵庫も2日間稼働せずで、そりゃーもう勢いよく冷蔵庫で眠っていたもの(食べないと分かっていながら捨てられなかった冷凍庫で何ヶ月も冷凍されたままの食品とか、古い焼肉のたれとか、タッパーの中でどうなっているか怖くて開けられなくて放置されたままの食品とか)を捨てることが出来た。
ついでに冷蔵庫の中をピカピカに拭いたりもした。
今、家の冷蔵庫は綺麗で必要最低限の食品しか入っていないめちゃめちゃスマートな冷蔵庫だ。
ちなみに本日子ども達を連れて公園に行こうとしたが、木々がバッサバッサと倒れていて立入禁止の公園が多数だった。地震の前日に直撃した北海道には滅多に来ない台風のせいだ。
地震がなければしばらくは地方ニュースのトップを飾っていただろうが、今は台風なんてなかったことになっているみたいだ。
同じように北海道の地震でテレビ上ではなかったことになってしまいそうな災害地域が全国各地に沢山ある。
リアルタイムで災害の影響が持続しているだろう地域の人達のことも考える。
どの地域も早い復興を願う。