すききらい

主に連ドラたまに映画の感想(好き嫌い)を語るブログ。

映像研には手を出すな! 1話

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NHK総合で1/5(日)深夜24:10から放送開始されたアニメ「映像研には手を出すな!」

前情報を何も知らずに観たんだけれど、面白い!あまりアニメは観ない私が以前どハマりした「四畳半神話大系」の湯浅政明が監督じゃないかー。期待が高まるよ。きっと原作もすごく面白いんだろうけれど、湯浅作品のあのなんだかグニャグニャした絵と構図の不思議で魅力的な世界でこの物語を味わえることが楽しみで仕方ない。

主人公は女子高生3人組。アニメと想像が大好きな浅草みどり、お金が大好きな金森さやか、カリスマ読者モデルの水崎ツバメの3人がアニメを作るって話なんだけど、とにかくそれぞれに個性的なキャラクターが良くて、みどりを演じる伊藤沙莉の声も良くて、1話後半の想像の翼を広げたアニメーションシーンも良くて、全編に渡って画面に溢れ続ける“アニメが好き”のエモーショナルさも良くて、まとめると全部好きです。

毎週楽しみにしています!!

2020年

明けましておめでとうございます。去年読んで下さった皆様ありがとうございました!今年もよろしくお願いします!

ぼんやり過ごしていたらあっという間に年が明けました。秋のドラマの感想も、2019年のドラマの総括も、2019年観た映画50本のレビューも、中途半端な下書きのまま寂しそうに佇んでおります。もう少し待っててね下書き達、ぼんやりしてないで新年から心機一転シャッキリしていきますよ。

2020年も、連ドラに映画に、どっぷりハマっていきたいと思います!!

 

海外のテレビを買って日本の細やかさに改めて気付く。

今まで家に1台のテレビを夜私が独占状態でね、優しい夫はいいよいいよなんて言ってくれてiPadで動画見たりTver見たりしてくれてたんだけど、申し訳ない、いやでも夫とは好みが違うから観たい番組が違うしなあ、なんて日々葛藤しつつも夫に甘えていたわけです。

そんな日々に終止符を打つべく、もう1台テレビを買おうということに相成りまして。2台目のテレビなんて贅沢過ぎるような気もしてなるべく安いテレビ買おうとね、調べたら「ハイセンス」っていう中国のメーカーのテレビを見つけたんです。家電には疎いもんで、全く知らないメーカーだったけれどネットで色々調べて、安いテレビの中ではまあまあの品質ってことで、昨年モデルの50インチ4Kチューナー内蔵(下位モデルではない)をおよそ7万円で購入しました。

正直画像の良し悪しは良く分からない。特に画像が粗いだとか色味が薄いだとかも思わない。音質もテレビはこんなもんでしょと可もなく不可もない。しかしね、もう声を大にして言いたい。日本製品とは比べ物にならないよ!!

まず驚くのはイヤホン装着時のノイズ。やばいよこれ、ほぼノイズでテレビの音なんてまともに聞けないよ。そして何と言っても使いずらさ。端的に言うと大雑把。早送り出来ればいいでしょ?巻き戻し出来ればいいでしょ?ネットフリックスもYouTubeも観れるし、Wi-Fiで繋がってれば外部レコーダーの録画も観れるんだし、多少操作がもたついてもいいよね?仕方ないよね?のオンパレード。そう私は日本製品の細やかさに慣れ過ぎていたのだ。30秒送り、10秒戻し、1.3倍再生、スムーズな操作性エトセトラ。日本人の「こうなったらもっと便利」の追求が日本の家電をこんなに便利にしてくれているんだなあ。尊敬だよ。最近は日本の悪いところばっかりに目が行きがちでネガティブな感情ばかり生まれていたけれど、久々日本っていいなあと思ったよ。

なんだそんなことと言うなかれ。大雑把にしか早送りも巻き戻しも出来ないとか、いちいち最初の画面に戻らなきゃいけないことの不便さとか、もう今更そんな不便さには戻れないのである。ということで、もしテレビの購入を考えている方がいれば画質だけではなく、ぜひ操作の利便性にも注目してみて下さい。

「モトカレマニア」は面白くはないけどすごいドラマ。

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視聴率が芳しくないのも正直納得な内容。元彼や元カノを引きずった登場人物達が毎回毎回特に進展もなく同じところを行ったり来たりしてグダグダグダグダしてるだけのドラマである。アクの強いキャラクターがいるわけでもなく、物語を牽引するような存在感のキャラクターもいない。主要メンバーの女性キャラはみな一様に洗練された都会的な佇まいで、可愛い美しいしか感想が出てこない。男性は現代的なキャラ設定なのか押しの強い人物はおらず、みんな優しくて控えめで優柔不断だ。個性がないのが個性ですと言わんばかりの薄味キャラのオンパレードである。

じゃあ観るなよと言うなかれ。ストーリーは面白くないが、しかしこのドラマはものすごく挑戦しているのである。昨今恋愛ドラマは視聴率が取れないと言われ、恋愛に色んなものをくっつけるしかなく純粋な恋愛ドラマはほとんど作られていなかったと思う。しかしこの「モトカレマニア」はそこに真っ向勝負したのだ。このドラマはコメディーという形式を借りつつもへんなネタに逃げずに『恋愛』というものだけをしっかりと描いている。人間的成長とか、家族問題うんちゃらとか、恋愛プラスお仕事ドラマだとか、あり得ないファンタジーとか、富豪と貧乏人の格差恋愛なんちゃらとか、もうそんな余計なものは一切ないのである。ただ愚直に『恋愛』とだけ向き合った、人が人を好きになることのみに特化した純粋な恋愛ドラマなのだ。そんなある意味覚悟を持って作られた脚本と演出、それに真摯に答えようとするキャストのお芝居に、面白くはないのに妙に心が惹きつけられる。ただただこのグダグダした恋愛模様を最後まで見届けるぞと、わけのわからない使命感に駆られるのである。

きっとこれからも視聴率は良くないだろうし、劇的に話が面白くなることもないだろう。でも中途半端に視聴率を取ろうとして色々詰め込んだ中途半端に面白いドラマより、この「モトカレマニア」はよっぽど魅力的なすごいドラマなのだ。

「グランメゾン東京」が面白い。

今期のドラマで次回を1番楽しみにしているドラマ、それは「グランメゾン東京」だ。いい具合に力の抜けた木村拓哉とその周囲を固める盤石で調和のとれたキャスト、はっきりした王道ストーリーながら毎回続きが気になる展開に持っていく脚本、その全てをまとめあげ魅力を存分に引き出す演出、どれをとっても最高なのだ。そして何よりドラマとしての質量みたいなものが重すぎず軽すぎずでストレスフリーなのが良いんだけれど、この感覚は伝わるだろうか。例えば「ドクターX」系は浮世離れし過ぎていて物語に入り込めずにスーっと引いていくような感覚で観てしまうし、人生に立ち止まった系のヒューマンなドラマはどんなに面白くても観た後にどっと疲れてしまうし、事件解決ミステリー系のドラマは事件自体に面白みがないと後味が中途半端なんだけれどミステリー物のトリックが飽和状態で見慣れた展開かあまりにトリッキーな展開でストーリーか雑になるとかが多いし、恋愛系はあまりに遠い距離感でしか観ることが出来なくてキュンキュンどころか逆にむなしくなっちゃうしで、どんな方向からもストレスが襲ってくるのである。そのストレスを凌駕するほど面白いドラマはその分どっぷりハマったりするのだが。

そんな中で「グランメゾン東京」は、王道ながらもワクワクがあり、登場人物がとにかく前を向いていて、しかしポジティブ過ぎるわけでもなくて適度に闇もあり、ミステリー要素を前面に出さずさりげなくしかしストーリーの重要な位置に配置し、悪役が気持ち良いほどに悪役なくせにやり過ぎ感はなく、それぞれの得意な能力を活かして何かを成し遂げていくというRPG的パーティー感ががんがんカタルシスを高めていって、その上大人の恋愛模様も程よく匂わせて、もうあらゆる意味でストレスフリー、つまり絶妙。来週を観るのが楽しみ!!って毎回思わずにはいられない良作なのである。ドラマを観る楽しみはこれだよ醍醐味はこれだよって久々思い出したドラマだよ。でもきっとこんなにワクワクするのは主役がキムタクだからなんだよな。キムタクの存在がワクワクを何倍にも押し上げているんだよな。スーパースターっていうのはそういう力がある存在なんだなあって、改めて思う。キムタクすごい。

これからも毎週日曜日の21時が楽しみでたまらない。

Netflix「クィア・アイ in Japan!」

 

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連ドラの録画をしこたま溜めて、ろくに感想も書かずに何をしているかといえば、朝ドラ「スカーレット」を観るか、このNetflixの人気コンテンツ「クィア・アイ」をシーズン1からひたすら観ているのであります。子供が寝たあとの限られた時間の中、秋ドラマでも映画でもなくクィア・アイです。そう、ハマっております。未見の方に簡単に紹介すると、どこかのワイドショーでやっていた「亭主改造計画」のアメリカバージョンであります。違いは、対象は老若男女で既婚者も独身者もいるし、異性愛者も同性愛者もいること、改造を担当するのが通称ファブファイブという5人で、その5人は全員ゲイということ。

メンバーをざっくり紹介すると、画像の向かって1番右がファッション担当のタン、右から2番目がフード&ワイン担当のアントニ、水原希子を飛ばして右から3番目が美容担当のジョナサン、ジョナサンの隣りが文化担当のカラモ、1番左がデザイン担当のボビーである。とにかく全員キャラが濃い。そして各分野でそれぞれがとてつもなくプロフェッショナルなのである。毎回驚くべき変貌を遂げる対象者だが、ファブファイブが1番変化を起こすのは、見た目ではなく対象者の“心”なのだ。そして、それが如実に表れていたのが、最新作「クィア・アイ in Japan!」なのである。

どの国に生きる人々も、それぞれに悩みを抱え、自信がなく、日々葛藤しながら生きていることに変わりはないと思う。しかし欧米人は何というか基本的で最低限の『自分はこの世に存在していていい』という感覚はみな持ち合わせている気がするのだ。自分の存在は認めた上で、うまくいかない人生に四苦八苦していて、なのでストレートに見た目やインテリアや物事が上手くいく方法なんかを身につけて、それで自信を回復していったりポジティブになれることも多いのだ。しかしin Japanに出てくる対象者の日本人は全く違う。最低限すらないのだ。自分がこの世に存在していることにさえまるで罪悪感を抱いているようで、見ていて本当に辛くなってしまう。それはきっと日本の謙遜の文化であるとか、空気を読むという独特の世間の圧力であるとか、長い間家父長制度であったこととか、色んな要素が影響しているのだろうし、この「存在自体が心許ない」という感覚は自分自身にも覚えがあり全く他人事なんかじゃないのである。そんな本当に生きているのが辛そうな4人の対象者達をファブファイブは優しく包み込む。彼らの何回もの心からのハグ、真剣な眼差しで話を聞いてくれる姿、あなたはそのままで素敵だよってありのままを認めてくれること、自分らしさを表現することの素晴らしさを少しずつ伝えてくれる言葉達。そんな風にファブファイブが全肯定してくれる中で少しずつ自信が生まれ(取り戻すではなくて生まれるのだ)、その上でファッションやヘアメイクやインテリアや料理が、更なる自信を生み出して、対象者が文字通り“生まれ変わる”瞬間を映し出している。多少の演出はあるだろう。演技的な部分もあるかもしれない。それでも、キラキラと輝き出すin Japanの対象者4人に惜しみない拍手を送りたいと思う。勇気を出して踏み出した新しい一歩をいつまでも応援したい。そして、自分自身も少し勇気を出そうと思えるのだ。何かとバッシングを受ける水原希子や、個性的なビジュアルの渡辺直美が出演することで番組全体の説得力も増して、この2人のスタイリッシュさとファブファイブのそれがマッチして、もうあらゆる角度から最高なのだ。

個人的に1番グッときたのは、エピソード4の誠人がファブファイブに勇気を貰って切実な自分の不安を妻に打ち明けるシーンだ。打ち明けたあとの誠人の姿を思い出して今でも泣きそうになる。

Netflixを観ることが出来る人はぜひ観てみて下さい。きっとライトにもヘビーにも観ている人達の心に、日本人に、響く番組だと思うのですよ。

「スカーレット」に心が持っていかれる日々。

朝ドラ「スカーレット」観てますか?毎日毎日、戸田恵梨香の爽やかな笑顔が見られ、登場人物の一人一人を丁寧に描写することで物語に奥行きがあり、ご都合主義ではないストーリー展開で視聴者を魅了し、そしてとてつもなくえげつない物語となっております。

主人公喜美子(戸田恵梨香)の立場で言わせてもらうなら、悲惨の一言です。もちろん朝ドラなので、どんな苦難にも前向きに立ち向かって行く姿が描かれております。おりますけれどもね、悲惨過ぎてそんな前向きな喜美子の笑顔が、もう逆に悲惨さを強調している始末です。毎日泣いております。感動の涙ではない。言うなら「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を観たときの涙です。それでも救いがあるのは、この先喜美子が陶芸家としての道を切り開いていくということが分かっているからだけれど、モデルになったであろう人物の生涯を見てみると、いやいや嘘でしょっていう出来事がこの先もいっぱい待っているわけでね。もう、心して観るしかないのです。しかも、戸田恵梨香があまりにも人間味溢れる魅力溢れる喜美子を作りあげているので、喜美子の気持ちを考えてもう胸を掻き毟られるような思いで毎日心が持ってかれてしまうわけです。この朝ドラだけでかなり体力を使い、他の連ドラをじっくり観ることが出来ない。困ったなあ。いやでも、このままぜひ駆け抜けていって欲しい。えげつないけれど観ないのは勿体ない名作の予感ですよ。