すききらい

主に連ドラたまに映画の感想(好き嫌い)を語るブログ。

今のところ観た2019夏ドラマの感想

毎週感想を書きたいなっていうドラマはまだございませんので、まとめて初回観た感想を。

 

月21「監察医 朝顔」1話

お久しぶりの上野樹里時任三郎親子の生活をじっくり丁寧に見せる序盤で、このドラマが描きたいものはこの親子なのだということは分かった。しかしだからって1話完結の事件部分が雑過ぎない?もう少し事件のエピソードの方もこだわってくれないとバランスが悪くて観づらいなあ。

 

火22「Heaven?〜ご苦楽レストラン〜」1話

この間何となく「民生」を観直してて、ストーリーは面白いし何気に深いんだけどやっぱり演出苦手だなあって思ってたのよね。本作はそんな「民生」と同じ演出家木村ひさしがメイン。苦手だなあ。全体的なテイストがもう苦手。分かる人にだけ分かればいいっていうニッチなネタを随所に仕込んでくるところも苦手。ネタの入れ方が下品。以上です。ストーリーは面白いのかどうかまだ良く分からないから演出に慣れさえすれば毎週面白く観られるのかも。

 

水22「偽装不倫」1話

上野樹里に続きこちらもお久しぶりな杏。大好きな杏。この人のコメディ本当に好きだよ。ストーリーは全く面白くないけれどそんなの関係ねえ。本作に限っては杏を観るためだけに毎週欠かさず観るのだ。しかし感想はたぶん書きません。

 

木21「サインー法医学者 柚木貴志の事件ー」1話

録画して未視聴

 

木22「ルパンの娘」

振り切っていて面白い。個人的にはどんぐりと加藤諒がいまいち。深キョン瀬戸康史は最高。小沢真珠渡部篤郎はそれ以上に最高。ストーリーもテーマに深みがあるのでどんどん面白くなりそうです。

 

金2412「I TURN」1話

期待が高過ぎたのかなあ。あんまり面白くはなかった1話。ムロツヨシの俺今アドリブやってますよ感がちょっとだけ、苦手。

 

土22「ボイス 110緊急司令室」1話

韓国のドラマはあんまり観ないけれど映画は好きでけっこう観ている。過激でぶっ飛んでる作品が多く空気も独特で、どの作品も面白い面白くないに関わらず一度観たら忘れられないインパクトがあるのだ。そんな韓流をリメイクした本作は独特感だけをそのまま持ってきてしまい異様にちぐはぐだ。だって舞台は日本だしね。もう少し工夫が必要ではないですかね。真木よう子の滑舌には既にたくさんつっこみがあるのであえて触れないが、このドラマは全体的に色々と滑舌が悪いっす。

 

日21「ノーサイド・ゲーム」1話2話

池井戸作品が苦手な私にも本作は比較的観やすい。大泉洋の熱過ぎないキャラクターと言いたいことバッサリの松たか子の組み合わせも最高。毎回池井戸作品の“良妻賢母な妻”に辟易としていた私としては本作の松たか子は待ちわびていた妻像であります。ストーリーはもちろん予定調和だろうけど、その過程を今回は楽しく観ることが出来そう。

 

文句ばっかりの感想一覧になってしまいまして、否が応でもこれから始まる「凪のお暇」「これは経費で落ちません!」「だから私は推しました」「セミオトコ」に期待が高まります!!毎週感想書きたくなるような面白い作品がどうかありますように。

きのう何食べた? 12話 最終話 感想

夏ドラマが続々と始まる中、今さらひっそりと「きのう何食べた?」最終回の感想を書くよ。

アバンでシロさん実家の前でめちゃくちゃに緊張した顔のシロさん(西島秀俊)とケンジ(内野聖陽)を見ているだけで既に泣きそうになるけれど、それからもうずっと怒涛の名シーン連発でございましたな。4人の微妙過ぎる空間で食べた数の子が放つ異様な大きさのコリコリ音に慌てるケンジ、シロさんが来たときはいつも揚げ物なシロさん実家で最終回に満を持して登場する“揚げ物の王様”唐揚げ、並んでシロさんの卒業アルバムを見るシロさん父とケンジ、帰り道もう死んでもいいと言うケンジに油と糖分控えて長生きしようと言うシロさん、正月価格な中村屋で破格の麺つゆと低脂肪牛乳を見付けて涙目になるシロさん、カフェにいる2人、後ろから思わずシロさんを抱きしめるケンジ、受けるシロさん、キッチンでのアドリブみたいなやりとり、ラストシーンは食卓で向かい合って「いただきます」…。愛おしい場面に満ちておりました。良い台詞もたくさんあれど場面場面の映像が、印象に、心に、残っているなあ。

パートナーとの穏やかな日常を描いた本作は、同性愛者っていうマイノリティな目線を通して“愛情”って何かっていう普遍的なテーマをとことん突き付けられた本当に素敵なドラマでした。いつまでも見ていたかったけれど、何やら続編を期待していいみたいなので何年後かにあるそれを楽しみに楽しみにしています。面白かった!!

パーフェクトワールド 10話 最終話 感想

是枝(瀬戸康史)の出番を極力抑えて樹(松坂桃李)とつぐみ(山本美月)の2人の場面を大切にしたことで、ベタな展開ながらも感動的になった最終話。こんな風に2人で支え合う姿をもうちょい前から見せて欲しかったなあと思わないでもない。

裏で是枝が采配していたとは後で分かるが、やっと2人で話すことになったつぐみの父(松重豊)と樹のやりとりは、お互いに真摯に思いを伝え合いどちらもつぐみを心から大切にしていることが良く分かるシーンで、つぐみ父が倒れて樹が必死で助けようとするところも含めて、こっからぐっと話に引き込まれていきましたよ。

そしてそのまま絶妙過ぎる介入の仕方で父の闘病を支えるつぐみを支える樹。そんな風に支えられているつぐみの姿を母と父はしっかりと見ているのである。

「わたしは障がいがあるというだけで

君を弱者だと決めつけていた。

弱者は守られる存在で守る存在ではないと決めつけていた。

病院で君たちを見たとき自分の間違いに気づいたんだが

認めるのに時間がかかった。

弱いのはわたしの方だった。」

自分はどうなんだろう、障がい者を弱者と決めつけてはいないだろうかと考えさせられる台詞である。表面的にはどうとでも言えるけれど、果たして自分の子供が車椅子に乗る人を連れてきたとして素直に受け入れることは出来るだろうか、出来る人で在りたいと思ったりしておりました。松重豊の抑揚の効いたお芝居も相まって、樹の涙にはもらい泣きしてしまったな。

あとはただただようやく認めてもらえた2人のハッピーエンドを見届けるだけ。結婚式に是枝と長沢さん(中村ゆり)がちゃんと居なかったことに作り手の誠意を感じました。最初と最後は魅せられたドラマであったなあ。視聴率狙いの目立つ展開ではなく地味でも2人が成長し合い信頼関係を築いていく丁寧な過程を観たかったというのが率直な感想ですが、それでも最終回まで観て良かったなと思うドラマでした!

わたし、定時で帰ります。 10話 最終話 感想

そうかそんな風にオチをつけるのか。意外なようでしっくりきた最終話が見事に突きつけたのは「あなたがいなくても仕事は回る」その一点。自分がいなきゃ仕事が回らないなんて幻想。そんな使命感に燃えるより大切なことが皆さんにもあるんじゃないですか?どうですかね〜?とマイルドに表現したのが本作で、同じことをめちゃくちゃシビアに表現したのが『けもなれ』だ。吉高由里子の良い意味での緩さがドラマ全体の雰囲気をほわっとさせて、『けもなれ』では毎回「もー勘弁してしんどいしんどい」って片目つぶりながら観ていたような部分がすごく優しく伝わったよなあ。ハイボール飲んでうぃーって言ってるだけではない。吉高由里子はとても良い俳優であることを痛感した次第。

そしてそんな風に会社や仕事にとらわれている人達にこういう価値観もあるんだよと提示する一方で“仕事人間”であることも決して否定はしない。色んな働き方があって色んな生き方があることを10話で丁寧に紡いだドラマであったなあ。

恋愛パートでは、まさかと思っていた巧(中丸雄一)との別れ。描写が妙にあっさりな気もするが、巧の心情は何となく伝わった。とにかく巧は結衣のために無理してたってことなんだよな。種田(向井理)とのことで傷付いた結衣をもう絶対に傷付けないと巧なりに必死だったのに、種田との絡みが多過ぎるよ!に尽きるのではないでしょうか。価値観の違いもあるにはあるが、そんなことより結局種田と同じ職場にいる結衣を許せなかったんだよね。次は幸せになってね巧。応援しているよ巧。

ということで、結衣が倒れたことで仕事より大切なものに気付いた種田と巧にすっきりと振られた結衣の半年後、「俺んちくれば?」の破壊力に悶絶しながら結衣の幸せを願う前向きなラストシーンでした。面白かった!

いだてん

パーフェクトワールドとわたし定時の感想書こうと思ってたんだけれどね、今日本当に久しぶりに1人時間が出来まして、録画がたまっていた「いだてん」を一気見したんです。

結論を言うと素晴らし過ぎて、金栗四三編最終回の24話まで見終えた瞬間からもういだてんのことしか考えられなくなっちゃいました。今もずーっと涙腺が刺激されている状態で、油断すると涙が出ます。登場人物1人1人誰のことを考えても泣けてきます。唯一泣けないのは美川(勝地涼)です笑。

今まで感想を書いていないので具体的なエピソードには触れないでおくんだけれど、ツイッターでも多くの人が言っているように「いだてん」は紛れも無い大河ドラマだ。というか戦国時代や幕末といった物語や書物でしか味わうことが出来ない時代の大河よりも私達に直結したよっぽど大河なのである。もちろん戦国時代や幕末の大河も大好きだ。あえてこんな風に書くのは侍の時代じゃないからと言って大河じゃないと切り捨てる人が多過ぎると感じるから。視聴率だって下がり過ぎだ。個人的な趣味じゃなくて誰が観たって一定基準より断然面白い作品であるのに、なぜこんなに視聴率が低いかと言えばやっぱり偏見だと思わざるを得ないんだ。大河って1年かけて物語を紡ぐから面白い作品は本当にあらゆる意味で重厚なんだよ。民放の3ヶ月1クールでは描ききれない部分まで描けるのが大河なんだよ。そこには時代なんて関係なくて、面白い大河が描くのはいつだって“人間”そのもので普遍的なものでさ、いだてんは本当に“人間”そのものを描いているとともに、現代までの弛まぬ情熱や努力や愛や、今私達が当たり前に享受出来ている事の数々にこんなに力を尽くしてくれている人がいたんだっていう尊さを味わえる本当に愛すべき作品なんだよ。誰がどんな感想を抱こうが他人にはもちろん関係ないんだけどさ、普段は大河を観るけどいだてんは観ない人の中の少なくない人達は、ちゃんと観てないんじゃないかって、偏見が先に立ってないかって、どうしても思っちゃって熱く語る感じになってしまいました。

まだあと半分もあるなんて有難すぎるし、あと半分もあるからこの作品の魅力に気付く人もきっとたくさん出てくると思いたい。作品の面白さに視聴率は全く関係ないと思っているんだけれど、こんなに面白いいだてんにいつまでたっても視聴率が低いって下げ記事が出回っていて、観てもいないのにその記事を真に受ける人がいるっていう現象がなんだか悔しくてたまらない。悔しくてたまらないほど面白い作品なんだ。

 

きのう何食べた? 11話 感想

まだまだ観ていたいのに、来週最終回かー!さみしいなあ。シーズン化してくんないかなあ…。

航(磯村勇斗)のわがままとシロさん(西島秀俊)の感情が炸裂した11話。航の言動にあたふたする小日向さん(山本耕史)とシロさんの気持ちに感動が止まらないケンジ(内野聖陽)の対比もまた面白く。ふと、この2人『真田丸』では石田三成徳川家康だったなあと思い出してあまりの違いになんだか余計に可笑しくなってしまった。

しかしやはり今回のハイライトはシロさんだ。

「きっと両親は俺がゲイだってわかったとき、俺のことかわいそうな子だって思ったろうって。

次に俺がこんなふうになってしまったのは、私たちの育て方が悪かったんじゃないかって…。自分を責めたかもしれない。」

ずっとずっとそんな風に思っていたのかと思うと、胸が張り裂けそうな気持ちになる。生真面目なシロさんだからこそ、そんな風に親に思わせていることが辛いし、親にそんな風に思われていると思って生きていくのも辛かっただろう。そんなシロさんがようやく、ケンジを連れて実家に帰る決心をする。少しでも自分は不幸ではないんだということを分かって欲しいって言うシロさんの気持ちと、それに全力で答えようとするケンジに愛おしさが溢れるよ。

このドラマ(というか原作かな)のすごいところは登場人物の心情をさらりと美味しそうな料理で表現してしまうところで、今回も冒頭のシロさん実家のシーンでは“とんかつのお肉に塩コショウしない”ことや“切り干し大根は砂糖やみりんを入れなくても自然な甘みがでる”ことでもって、余計なことはしない=男だとか女だとか余計なことを考えないということを暗に示していて、紆余曲折を経てシロさん父母が、シロさんが女だろうが男だろうが一緒に台所に立つのは楽しいし、シロさんの大事な連れ合いは連れて来て欲しいというシンプルな結論に至ったということをなんとも自然に表現しているのよな。もうひとつはあのめちゃくちゃ美味しそうなアールグレイと練乳のシャーベット。“固まりかけたらサクサクを繰り返す”っていうのはきっとシロさんとケンジの関係性で、あまり感情を出さないシロさんが人間味溢れるケンジと一緒にいることで、サクサクサクサクと少しずつ気持ちを解きほぐされて、今こんなふうに自分の気持ちを吐露しているんだと思うともう本当に胸熱なわけです。

そして一方、胸熱展開の脇で繰り広げられるケンジの指輪を巡る熱い戦い!ケンジの執念はしっかりと航に伝わったようで、悔しい航と何も気付かない鈍めの小日向さんの帰り道でのやり取りの微笑ましさも最高でした。

シロさん父母や大先生(高泉淳子)や富永夫妻を通してそれぞれの親の思いを描いている部分とか、まだまだ書きたいことはいっぱいあるのだが、とにかく最終回を楽しみにしています。大切に大切に観たいです。

 

パーフェクトワールド 9話 感想 というか瀬戸康史について。

細々と視聴を続けていた本作、なんだかパッとしないなあなんて思いつつ観ていたのだが9話はあまりにも瀬戸康史が良すぎて思わず感想を書くよ。

正直主役2人の鮎川樹(松坂桃李)と川奈つぐみ(山本美月)の方はどうでも良いというか、さして興味を惹かれないままなのだが是枝(瀬戸康史)の振られっぷりが本当に良くて。たぶん脚本だけの段階ではそれほど魅力的ではないよくある恋愛ドラマの主人公を好きな最終的に振られる友達枠なんだけれど、瀬戸康史のお芝居がその立ち位置を何倍にも押し上げているような、ただの良い人ではないすごく人間味のある是枝にしてくれている。つぐみにやはり鮎川が好きだと決定打を打たれて去る場面での是枝のふるまいと涙…。お芝居の力をすごく感じさせてくれる、これからも本当に楽しみな俳優さんだ。

思えば『透明なゆりかご』の産婦人科医を演じたときも『海月姫』の女装男子を演じたときも、どれも本当に魅力的で素晴らしくて、なんなら何年も前(2012年)にNHKでやっていた『眠れる森の熟女』というマイナーなドラマに出ていたときから魅力が溢れていたのだ。そのドラマは草刈民代演じる夫から突然離婚を言い渡された46歳のホテルの清掃員が主人公で、瀬戸康史はホテルの御曹司で草刈民代の相手役なのだ。いわゆる“王子様”枠なのであるが、この役をただの王子様ではなく、憎たらしくも誠実で憂いのあるとても奥行きのある人物に仕上げていたのである。

もうパーフェクトワールドの感想ではなく、瀬戸康史についてただただ熱く語るだけになってしまった。誤解のないように言うと松坂桃李山本美月も好きな俳優さんだ。しかし本作ではなんだか綺麗に演じ過ぎているような気がするのだ。もっともっと人間くさい鮎川やつぐみが観たかったんだよな。しかしとはいえ次回は最終回。2人がどんなハッピーエンドをむかえるのか、是枝がどうなるか、とても楽しみにしています。